2018.11.03
[アーチェリー]同志社大学 西村かなえ
大学1年で全日本インカレ優勝。草津東の後輩の活躍に勇気もらう。
8月のある夕方。 同志社大学からの帰宅中、ツイッターで母校・草津東高校アーチェリー部がインターハイ団体女子で優勝したことを知った。 その瞬間、西村かなえは電車の中で溢れる涙を抑えることができなかった。今春に高校を卒業したばかり。 1つ下の後輩とは苦楽を共にしてきた仲である。
「うれしくて、うれしくて。 自分も頑張ろうと、勇気をもらった」
そして約1ヶ月後、西村は1年生で全日本インカレ優勝の快挙を成し遂げる。 ドラマのような奇跡が起こるのだから現実はおもしろい。
西村がアーチェリーを始めたのは高校から。 きっかけは、中学の頃に好きになった映画やアメリカンコミック(アメコミ) 『アベンジャーズ』の影響。 特に弓矢を操るホークアイというキャラに憧れ、草津東高校アーチェリー部の門を叩いた。 「最初から弓はホークアイと同じ紫色にしようと決めていた(笑)」 と西村は笑う。
アメコミの影響で始めた競技だが、西村はすぐにアーチェリーの虜になった。 「自身初の個人競技で、自分が努力すればするだけ結果が出るのがすごく楽しかった。中学時代にやっていたソフトボールではそうはいかない」 と言う。アーチェリーでも団体戦よりも個人戦に強くこだわってきた。
全日本インカレも個人戦でのタイトルにこだわった。 だが、予選は10位と出遅れた。 「3日間とも苦手な雨。 弱気な自分が表に出てきた」と西村は振り返る。 「1回戦の2本目はまさかの0点。 うわ〜って思いました」。
だが、逆にこの0点で気持ちが吹っ切れた。 そして高校や大学で指導を受けた先生たちの声が頭に浮かんだ。”もっと強気で、打った後に射形を残せ、雨の影響で矢はいつもより下がるぞ…”。 試合が進むにつれて集中力はどんどん高まっていった。
ずっと求めていた個人戦のタイトルを手にした西村は 「やっと取れた」 と思ったという。 同時に 「みんなのおかげやなぁ」 とも感じた。 個人戦とはいえ、1人で戦うものではないことを再認識した瞬間だった。
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西村 かなえ
同志社大学
Profile/にしむら・かなえ。1999年8月25日生まれ、野洲市出身。三上小学校、野洲中学校、草津東高校を経て、同志社大学へ。現在1年生。高校からアーチェリーをはじめ、3年時には近畿大会2位、インターハイ出場などの成績を残した。大学では第57回 全日本学生アーチェリー個人選手権大会で1年生ながら優勝。