2016.12.28

大津商業高校 / 陸上競技部(やり投げ) / 神原 翼

「 急 成 長 。」

大津商業高校の神原翼が夏のインターハイ陸上・やり投げで6位入賞を果たした。これが、やり投げに転向して半年余りの快挙というから驚きだ。続く10月の岩手国体でも少年男子Aで6位入賞。単なるビギナーズラックではないことを証明すると同時に、潜在能力の高さを改めて知らしめた。神原は、中学から陸上競技を始め、ハードル走では県大会で上位入賞するなどその存在を誇示してきた。高校1年からはハードル走と8種競技にもチャレンジ。そのときに初めて投擲競技の面白さに触れた。転機となったのは2年生の秋。大会直前にじん帯断裂で走れなくなった。それでも大会には出たくてやり投げで出場、そこでまさかの県大会2位に。「逆境に立たされアドレナリンが放出されたのかも。もっと上へ行ける可能性を感じた」と振り返る。その冬から本格的にやり投げの練習を始めた。長さ2m60cm、重さ800gのやりを投げるには全身の筋肉が必要となる。ウエイトトレーニングを中心に肉体改造に力を入れた。競技を始めた当初は50mほどだった飛距離もぐんぐん伸びてきた。県の強化合宿でやり投げ専門の指導者と出会ったことも大きく、面白いように距離が伸びた。県大会2位、近畿大会3位で順調にインターハイへと駒を進め、本大会の予選では自己ベストの65・23mをマーク。持ち味でもある大舞台にも動じない度胸の良さも披露した。大津商業の林正晴顧問は「(神原は)オールラウンドな選手だと思っていましたが、まさかやり投げに可 能性を見出すとは...。投擲競技は日本人でも世界で戦える競技ですし、世界に通用する選手になってくれればうれしいですね」と話す。神原は、大学でもやり投げを続けることを決意し、強豪・九州共立大学への進学を決めた。「仲間や先生、家族の励ましが力になりました。今はやり投げがただただ楽しい。大学ではもっと経験値を高め、東京オリンピックを目指します」。新たな目標を見つけた若者は、ワクワクが止まらない様子だった。

神原 翼

大津商業高校

かみはら・つばさ。1998年5月3日生 まれ、湖南市出身。ケガをきっかけに高校2年の 冬からやり投げに転向。2016年のインターハ イ、岩手国体ともに6位入賞。高校卒業後は九州 共立大学へ進学。憧れの選手は新井涼平(スズ キ浜松AC)。175cm、75kg。

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