2019.02.15
[ハンドボール]滋賀医科大学 ハンドボール部
“西医体V6”を誇る医大の雄。日々の課題克服が強さの秘密。
昨年8月の 「西日本医科学生総合体育大会(西医体)」で6度目の優勝を果たした滋賀医科大学ハンドボール部。〝医大の雄〞として知られる彼らだが、今回の優勝には一つの大きな〝賭け〞があったと、キャプテン金井岳志(2回生)は話す。 「大会2ヶ月前に戦略を大きく変えたんです」
戦略とはパワープレーを指す。ゴールキーパーをコートから外し、代わりにコートプレーヤーを入れて数的優位を作る戦術。 攻撃の主導権を握れるが、逆にボールをロストすると失点に直結する〝諸刃の剣〞でもある。 「普通、練習量が少ない医科大学では連係が築けないのでパワープレーはやらない。 でも、西医体で勝つにはこれをやるほかなかった」 と金井は話す。
実は西医体の約2ヶ月前の「関西東海医歯薬科学生ハンドボール春季リーグ1部」で、滋賀医大は奈良県立医科大学に22-30の8点差で敗れていた。 この差を短期間でひっくり返すには〝諸刃の剣〞に挑むほかなかったのである。
結果的に、西医体の決勝トーナメント2回戦で奈良県立医科大学をペナルティスロー(サッカーで言うPK)の末に破った。 滋賀医大は賭けに勝ち、その勢いのまま頂点へと駆け上がった。
その優勝に貢献した中には滋賀県出身選手も何人かいる。 彦根東高校卒の阿部和樹(5回生)もその1人。 高校時代にインターハイに出場した貴重なハンドボール経験者だ。 「大学でも競技を真剣に続けたかった。 医大の中では滋賀医大が強く、練習量も多かったので進学を決めた」 と阿部は話す。 4月から最終学年の6回生。 8月の西医体が大学最後の大会となる。「中学から競技をはじめて約10年。 最後は優勝で締めくくりたい」と 決意を口にした。
また、他競技から転向した滋賀県出身選手もいる。 元膳所高校ボート班の浅川信平(4回生)だ。「体験入部が楽しくて」というのが転向理由。 どっぷりとハンドボールにはまり、昨年の西医体ではベストGKに選ばれるまでに成長した。「でも、ベストGKより、やっぱりチームで優勝したことの方がうれしい。 ボートとは違う団体競技の喜びがありますから」
今年2月11日・17日には県内の高校や大学、クラブなど約15チームが参加する滋賀県選手権大会が開催される。 西医体連覇を目指す新チームが、この大会でどんな初陣を切るか注目したい。