2018.07.07
[ウィエトリフティング]堅田高校 ウェイトリフティング部
明るく、元気に、朗らかに。助け合って、みんなで成長する。
約50年前に創られた堅田高校ウェイトリフティング部は、全国優勝6回を誇る強豪だ。一時は低迷したものの、2015年に全国優勝を果たし、今年は久しぶりに近畿団体5位入賞も果たした。 すでに名門復活の狼煙は上がっている。
練習は個々に合わせてメニューが組まれる。 高橋一平監督は 「パワーをつけるのが基本方針ですが、床から一気に挙げるのが得意な選手もいれば、膝上からの引き上げがうまい選手もいる。 個性が違えば、成長速度も違うので、見た目は同じでも細かく違うメニューをやっていることが多い」 と話す。
3月の全国選抜(56㎏級)6位入賞のキャプテン河野暁(3年)は「コンビネーションからのスクワットが苦手」 だと言う。 自己ベストの50%の重さのバーベルを使い、膝あたりで上下させるのがコンビネーション。 これを10本1セットしたあと、今度は55%、60%と強度を上げていく。 そして、そこからスクワットで追い込む。 翌日はセット数を増やし、その翌日はまた重量を増やすなど強度を高めていく。 「MAXで80%の重さ。 地獄です」 と河野は苦笑いする。
同じく全国選抜(62㎏級)6位の下山唯一(3年)は、ボックススナッチがきついと話す。 膝上の高さに設置したバーベルを一気に上まで引き上げる練習だが、パワー、スピード、技が揃わないとなかなか成功しない。 「うまく行くと自信になるけど、失敗すると精神的に落ちる。 1年の時はできずに泣いたこともある(笑)」 らしい。
まるでスポ根漫画の世界だが、部の雰囲気は実は”ほんわか”としている。 誰かが自己ベストを更新したら全員で喜ぶなど仲間意
識も強い。 そんな空気作りに一役かっているのが、7月の全国大会に出場する2年生の”仲良し3人娘”だ。
2度目の全国大会に挑む58㎏級の小澤風花が「6本中6本成功して、全国10位以内に入りたい」 と話すように彼女たちの実力は本物。 それを大会で引き出せるのは彼女たちのチームワークによる。 その中心がムードメーカー池端愛花(63㎏級)だ。48㎏級の北村繭菊は池端のエピソードをこう話す。
「私が緊張していた時、池端さんがダンスを披露して気持ちをほぐしてくれた。 小澤さんが緊張していた時は”本気”のラジオ体操で笑いをとったり…。 優しいです」
練習は苦しい時もある。 だからこそ 「明るく、元気に、朗らかに」 をスローガンに、みんなで試練を乗り越えていくのが同部の魅力である。
堅田高校ウェイトリフティング部
Team Profile/昭和41(1966)年創部。部員27名(男子17人:3年2人、2年9人、1年6人。女子7人:2年3人、1年4人。マネジャー3人)。全国優勝6回(インターハイ1回、国体4回、高校選抜1回)。今年は近畿団体5位入賞を果たしている。