2025.05.01

〝超攻撃〞でつかんだ男子初の県3連覇!

創設時から変わらぬ姿勢

 滋賀レイクスターズなどで活躍した横江 豊(滋賀レイクスU15HC)を輩出したミニバスクラブ「草津OSC」が、2025年1月の「2024年度マクドナルド滋賀県ミニバスケットボール選手権大会(しがぎんカップ)」で優勝した。男子としては初の大会3連覇。1年毎に勢力図が大きく変わる男子ミニバスにおいて〝3連覇〞は偉業だった。

 1998年に老上および志津の小学生を対象に誕生した草津OSCは創設当初から「堅守から、速く攻撃的なバスケ」というチームカラーを貫いている。だが、「堅守」に重きを置いているわけではない。ニュアンス的にはゴリゴリの〝超攻撃型〞。オフェンスの回数を増やすために守備がある、という感じだ。

 週5回の練習でも、守備に特化したメニューはない。清水健宏監督はこう話す。

「守から攻、攻から守への切り替え、いわゆるトランジションを鍛えるメニューはあります。でも、守備だけの練習はない。だって攻めないと勝てないですし、守備の練習をしてもつまんないでしょ(笑)」

 50点取られたら60点取り返す。これが草津OSCの哲学。「OSC」には老上・志津・クラブの頭文字などさまざまな意味が含まれている。その中には
「オフェンス・スピーディ・クラブ」もあるそうだ。 

〝らしさ〞を見せた決勝戦

 クラブ史上で最も〝らしさ〞をコートで表現したのが今年度の県大会決勝だった。ライバルの彦根城南ミニバスを相手に前半は30-24の僅差で折り返したものの、後半は3Qで16-9、4Qで22-10と引き離し、最終的には68-43で圧勝した。金近悠誠は「自分たちらしい速攻を出せた」と話し、山﨑 駿は「チーム一丸で攻め続けられた」と笑みをこぼす。まさにOSCスタイルでつかんだ会心の勝利だった。

 3連覇の重圧を跳ね除けた背景には、年間140試合以上という実践の積み重ねがあった。エース西村央介は「土・日には県内外のチームと試合してきた。その経験があったから決勝もいつも通りプレーできた」と振り返る。

 キャプテン加藤伊織は「色んなタイプの相手と戦った経験は今後に役立つと思う。コーチ陣や保護者の皆さんのおかげです」と話す。

 伊藤龍云大が「先輩越えの2勝がチームの目標」と話した3月末の全国大会は、初戦でエース西村が負傷し3連敗に終わった。

 だが、最終戦の試合終盤に感動的なシーンがあった。日頃から切磋琢磨してきた愛知代表(フジ)の許可を得て負傷の西村が1分間だけコートに入った。そしてフジの選手が西村にミドルシュートを打たせてくれ、それが一発で決まった。敵味方に関係なく喜びあったこのシーンを清水監督は「彼らの温かい行動に涙が止まりませんでした」と振り返る。ミニバスの良さを存分に感じた全国大会だった。

草津OSC

1998年度から活動開始。2016年に全国大会に初出場し、22~24年度には滋賀県男子として初の県3連覇を達成した。合言葉は「夢をつかめ!」。練習は週5回。志津小学校(草津市)を中心に行っている。OBには元滋賀レイクスターズ(滋賀レイクス)の横江豊がいる。

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