2024.05.01

強さの秘密は〝リトルティーチャー〞

前半は大人の指示無し

 2024年3月に2年連続( 14回目)で全国ミニバスケットボール交歓大会(全国大会)へ出場した「草津ミニバスケットボールクラブ燕(女子)」は少し変わったチーム方針を
採用している。河村芳志信監督は「1Qと2Qは子どもたちが話し合ってメンバーを決め、作戦も自分たちで考えます」と話す。つまり前半は大人が指示を出さず、子どもたちだけで戦う。

 狙いは自ら考えてプレーする習慣をつけること、コミュニケーション力を育むことなど色々とあるが、一番の目的は「子どもたちがバスケットを好きになること」だと河村監督は続ける。「自分たちで考えて勝てたら楽しいですし、バスケットが好きになる。そして好きになればもっと上手になりたいという向上心も出てきますし、強くなりたいという思いも芽生えます。バスケットを好きになることが大切なんです」

 前半を子どもたちだけで戦うという方針は全国大会の県予選決勝戦でも貫かれた。副キャプテンの河邉文乃(6年)は「いつも相手チームを見ながら自分たちのバランスを考えてメンバーを決めます。でも、県大会の4試合は全国大会を想定してメンバーを選びました」と言う。結果として「自分たちの強みであるディフェンスを活かして勝つことができた」(河邉)。自分たちの選択が正しいと自信を持てた瞬間だったと言えそうだ。

部員同士で指摘しあう環境

 選手だけで前半を戦う「燕」の根幹とも言えるのが「リトルティーチャー」(河村監督)という考え方だ。自分たちでメンバーや戦術を考える上で、仲間のスキルやコンディションを知ることは不可欠。さらに、お互いに良い点と悪い点を指摘し合うことでチームの結束が高まるという。いわば、子どもたち自身が先生(リトルティーチャー)である。

 副キャプテンの塩谷玲(6年)は「6年生は冬から春にかけて下級生に全ての技を教えます。自分が分かったことを伝えると自分の理解も深まりますし、そうやってチーム全体でうまくなっていくのだと思います」と話す。

 この「燕」の文化は県大会で想定外のアドバンテージを生むことにもなったとキャプテン正江志保七(6年)は振り返る。「決勝は自分たちの努力してきたことを出せたから勝てたのだと思います。でも、チームメイトや保護者の応援も力になりました。さらに決勝では準決勝までに戦った相手チームも私たちを応援してくれた。試合の後にみんなと仲良くなれたからだと思います」

 3月の全国大会では2勝1敗と健闘した。先輩たちの全ての経験は次の代、その次の代へと引き継がれていくに違いない。

草津ミニバスケットボールクラブ燕女子

1983年創設。メンバー約40名。練習は週3回、土・日は試合。チームスローガン「夢見・夢追・夢叶」。全国ミニバスケットボー ル交歓大会(全国大会)では1992年3位(全国トップを決めている時の大会)、2005年、07年には全国ブロック3位に輝いている。2024年 3月には2年連続14回目の全国大会に出場(女子)した。

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