2023.05.01

高校3冠王者が描く 28ロス五輪への道 上坂健斗

できるだけ早く高校新を

堅田高校ウエイトリフティング部の上坂健斗(3年)は、高校1年の3月に全国選抜大会55㎏級で頂点に立つと、高校2年のインターハイと国体も優勝し、高校三大タイトルを制した。高校2年にして「高校三冠」の偉業を達成した上坂は、日の丸を背負って23年3月の世界ユースに出場するなど舞台を世界へと移している。

 指導にあたる堅田高校の高橋一平監督は「瞬発力とパワーは最軽量級の出力ではない。55㎏級で(上坂)健斗に勝てる日本人の高校生はいないと思います」と評す。上坂のポテンシャルは計り知れないものがあるようだ。

 当然、目標はより高いものになっている。取材時( 23年3月16日現在)には、インターハイ連覇ではなく「高校新記録を塗り替えたい」と話していた。すでに練習では高校記録を超える自己ベストを叩き出しており、更新は時間の問題のようだった。だが、上坂は「できれば早く」と意味深な言葉を付け加えた。続けて「階級を61㎏級に上げたいんです」と言い残した。

階級を上げる理由

 いくら「高校三冠」の上坂とはいえ、階級を一つ上げるとそう簡単には勝てなくなるらしい。わざわざイバラの道を選ぶ理由は何だろうか。高橋監督に尋ねると「オリンピックに55㎏級がないからです」という答えが返ってきた。

 現時点でオリンピックの最軽量クラスは61㎏級である。「28年のロサンゼルスオリンピックに出場したい」と話す上坂にとって階級アップは避けられない道。できることなら早急に61㎏級で勝負したいと考えるのも当然だ。

 ただ、「55㎏級の高校記録を更新」という宿題を終えたい想いもある。理想は「記録を更新し、今年のインターハイは61㎏級で優勝し、二階級制覇を果たしたい」。

高校ラストイヤーの今年、上坂の新たな挑戦が始まる。

上坂健斗

堅田高校

2006年2月11日生まれ、大津市出身。仰木小学校、仰木中学校を経て堅田高校へ。現在3年。小学4年から父がコーチを務める堅田ジュニアウエイトリフティングクラブで競技をはじめた。 中学1年時は全国11位、中学2年は全国3位、中学3年時はコロナで全国大会が中止。高校1年のインターハイ8位、選抜大会優勝、高校2年のインターハイと国体で優勝し、高校三冠達成した。160㎝、58㎏。

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