2022.03.28

今年こそインターハイで頂点に 競歩×長距離走が強さの秘密 石田さつき【陸上競技(競歩・長距離)】

陸上は自主練、中学はサッカー部

 インターハイ5000m競歩で2020年(代替試合)3位、2021年2位と着実にステップアップしている石田さつき(大津商業高校2年)は、今年さらなる飛躍を誓う一人だ。

「競歩」と「長距離走」の二刀流で活躍する選手で、冬場は駅伝でチームをけん引した。「両方練習することが好記録につながってきた。今夏のインターハイは3年目の正直で優勝したい」と意気込む。

「水泳、サッカー、そして陸上。全部きょうだい3人でやってきた」と話す石田は、12歳上の研摩さん、3歳上の理人さんという2人の兄の影響を受け、小学6年で陸上をスタート。しかし陸上クラブなどに所属するのではなく、研摩さんが考えたメニューを元に練習。中学校も陸上部がなかったため当初はサッカー部に所属し、陸上は自主練習を積み記録会に出るなどして力を付けてきたという異色の経歴の持ち主だ。

「歩き」と「走り」の相乗効果

 兄が2人とも競歩の選手だったため、石田も中学時代から競歩を練習。高校は「『走り』も『歩き』もどっちもやめたくない」と両方練習できる大津商業に進んだ。競歩には「常にいずれかの足が地面についていなければならない」などのルールがある。大学時代に日本学生個人選手権(1万m競歩)での優勝経験を持つ上田勝也監督は「競歩のルール内でいかに効率的に『歩く』かを追求することで、『走り』でも体の使い方がうまくなる。逆に『走り』で心肺機能を鍛えることで『歩き』にも生きる」と、長距離パートに競歩練習を取り入れる目的について話す。石田も「今季は駅伝シーズンに入っても、競歩の練習を欠かさずやった。『歩き』の後に『走り』でポイント練習や流しを入れると、すごくやりやすくて脚に痛みも感じない。順番が逆だとすごくやりにくいけど」と笑顔を見せ、競歩の魅力については「スタートしてから、自分の中でいい感じに〝はまる〞タイミングがある。はまってしまえば失速しないままゴールできるところが楽しいし、自分の持ち味」とランニングハイならぬウォーキングハイについて話す。びわこ成蹊スポーツ大学で競歩選手として活躍後、現在は大津市内で暮らす研摩さんが相談相手として身近にいるのも心強いそうだ。

今年こそインターハイ1位に

 駅伝シーズンを終え2月の日本選手権競歩は、これまで出場してきた5㎞ではなく20㎞に出場。「今は着地の仕方、腕の高さなどのフォーム修正に取り組んでいるので、20㎞という長い距離を通じて意識しながら歩くことが目標。よりよいフォームをしっかり身に付けてから、春以降にスピード練習を積みたい。昨年のインターハイは優勝した選手に最後まで全く追いつけなかったので、今度こそ力をつけて1位を狙います」と夏までのプランを描く石田。将来についても尋ねると、「パリ五輪に競歩で出場するのが目標。出るだけでなくしっかり結果を残せるように強くなりたい」と力強く話してくれた。

石田さつき

大津商業高校

いしだ・さつき。2004年5月2日生まれ。兵庫県尼崎市出身。主な戦績は、2020年インターハイ(代替試合)5000m競歩3位(22分50秒47=県高校新、全国高1歴代最高)、2021年インターハイ5000m競歩2位(23分12秒96)、2021年滋賀県高校駅伝1区(6km)21分48秒(区間4位)。2022年全国都道府県対抗女子駅伝の滋賀県代表。1500m走4分38秒、3000m走9分52秒(いずれも自己ベスト)。

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