2021.12.18

あの時、選手は・・・ #11今川友哲

彼がレイクスに欠かせない理由。
一つの回答が茨城戦にあった。

指揮官が愛した守備職人

特別指定選手から避賀レイクスターズに加入した野本大智を除くと、昨シーズンからレイクスに在籍しているのは今川友哲だけである。2016年にU24日本代表に選ばれた逸材だが、昨シーズンは12月の広鳥ドラゴンフライズ戦でシーズン最多16得点を挙げて見せたものの、シーズンを通しては際立ったスタッツを残していない。では、なぜ今川が今シーズンもレイクスに居るのだろうか。それはスタッツに残らないプレーでチームを支えているからである。

今川の強みは守備だ。「契約更新の際、クラブからディフェンス力を評価してもらった」と自身も自分の特徴を理解している。新指揮官のルイス・ギルHCも「(今川は)小さくてスピードのあるポイントガードにも対応できるし、外国籍のビッグマンとも渡り合える。レイクスに欠かせない選手だ」と彼の能力に惚れ込んでいる。

勝利を呼び込んだリバウンド

今川が今シーズンもレイクスに居る理由が、10月9日の茨城ロボッツ戦GAME1に垣間見れた。場面は第4Q残り4分21秒、レイクスが73-77の4点ビハインドという状況だった。突き放されるか、追い上げるか、いわゆる勝負所で今川は外国籍選手にオフェンスリバウンドで競り勝った。このプレーを機にゲームはレイクスへと傾いていく。そして今川はゲーム終盤にディフェンスリバウンドやスティール、アシストなどで勝利を呼び込んだ。
それでもスタッツにはオフェンスリバウンド2、ディフェンスリバウンド1、スティール2といった素っ気ない数字が並ぶだけ。ただ、試合後には彼の活躍を讃えて"トモ・コール"が沸き起こった(実際は飛沫対策でDJのコールに対して観客は拍手で応える形)。期待された守備を期待通りにこなす。これが今川の生きる道であり、レイクスに居る理由でもあった。

試合後の記者会見で、ギルHCに尋ねた。今日の今川のプレーに満足か。すると、指揮官は少し表情を和らげ「シー(はい)」とスペイン語で答えた。そして「満足している」と何度かうなずいた。

今川友哲

滋賀レイクスターズ

いまがわ・とものり 1996年5月28日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭高校、明治大学。2019-2020シーズンに秋田ノーザンハピネッツ(B1)でプロデビュー。シーズン途中にライジングゼファー福岡(B2)へ期限付き移籍。翌2020-2021シーズンから滋賀レイクスターズへ。195cm、100㎏。

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