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2021.08.22

コロナ禍の難しさを乗り越え、ペアで初のインターハイ出場。

65年ぶりのペア優勝

インターハイ予選を兼ねた春季高校総体バスケットボール競技は、男女とも草津東の優勝で幕を閉じた。男女ペアでの優勝は1956(昭和31)年の膳所以来。実に65年ぶりの快挙だった。

6月6日の決勝戦はまず女子から行われた。のちに21年ぶり3回目の春の女王に輝く草津東の相手は難敵・近江兄弟社。準決勝以外を全て100点ゲームで勝ち上がるなど相手には勢いもあった。一方の草津東も順当に決勝まで駒を進めてきたが、本調子ではなかったと廣沢洋平コーチは話す。

「コロナ禍の影響で合宿や練習試合が中止になって、チーム作りは難しかったです。初戦(2回戦)は94‐51で勝ちましたけど内容は悪かったですし、大会を戦いながら手探りでチームを作っていった感じです」。

キャプテン大原元歌(3年)は「大会が始まってもなかなかうまく行かず、自分が足を引っ張ってチームの雰囲気を悪くした。草津東らしさを出せないまま決勝まで来てしまった」と振り返った。

1対1で強気に勝負していく

チームが好転したのは決勝の第2Qだった。第1Qで4点ビハインドを背負った草津東は、ここで一つの賭けに出る。「プレーに波があった嶋田にボールを集めることにしました」(廣沢コーチ)。その期待に嶋田陽彩(3年)が答え、終わって見ればチームトップの26得点とブレイク。優勝の立役者となった。

嶋田は「今年の草津東は絶対エースがいないので、まず全員でディフェンスを頑張る。それをベースにオフェンスは1対1で仕掛けていくスタイルです。(自分にボールが来た時は)強気で攻めようと思った」と話す。

強いチームと戦う方がワクワクするという片岡千香(3年)も強気のプレーでチームを盛り上げた。決勝も「(緊張はなく)ただただ楽しくて仕方がなかった」という。インターハイでもそのメンタルの強さを武器に、チームを引っ張るつもりだ。

「うちは1・2年生も多く試合に出ています。3年生としては、下級生が伸び伸びプレーできる雰囲気作りが大事だと思っています。インターハイでもそういう雰囲気を作っていきたい」

目標はまず全国1勝。「せっかくなので強豪と戦いたい」と、片岡は〝強心臓〞をのぞかせていた。

秋の屈辱からスタート

女子に続き、男子も草津東が春季総体を制すことになった。男子は今回が初優勝。

平川清士コーチは「コロナ禍にもかかわらず大会の開催に尽力してくださった関係者の方にまず感謝したい。そして選手たち。秋の悔しさを乗り越えてよく頑張ったと思います。優勝の瞬間は私もウルっときました」と振り返った。

今年のチームは、ある意味でどん底からのスタートだった。昨年の秋季総体準決勝で比叡山に敗れ、決勝のコートに立てなかったからだ。平川コーチが〝秋の悔しさ〞と言ったのはこの敗戦を指している。

副キャプテンの善利政太(3年)は「(準決勝敗退は)まさかでした。みんな決勝で光泉(現光泉カトリック)とどう戦うかを考えていたのに、対戦すらできなかった。新チームはこの比叡山戦の敗退から始まった」と言う。

選手たちが集まってミーティングを行い、練習の強度や質をみんなで見つめ直した。原点に戻ってランメニューを徹底し、バイクマシンを使ったトレーニングを今までの2倍近くにまで増やした。どこにも走り負けない自信が芽生え「メンタル強化にもつながった」(善利)という。

その効果が決勝の最終Qの大事な場面で出ることになる。

3年生の意地で初優勝へ

春季高校総体の決勝の相手は、全試合100点ゲームの圧倒的な強さで勝ち上がってきた光泉カトリック。そのチームを相手に草津東は前半9点リードで折り返した。だが、第3Qで相手のゾーンディフェンスに苦しみ、第4Qは3点ビハインドで迎えることになった。

泣いても笑っても残り10分。2年生エースの西村宗大を軸に反撃の狼煙を挙げ、ついに逆転に成功する。そして一気に試合を決めようという時に、エースの西村が負傷した。ここで活かされたのが、鍛えたメタルだった。

この時、キャプテン河野康平(3年)は冷静にこう訴えたという。
「西村に〝優勝するから安心して病院に行ってこい〞と言いました。そして残った3年生には〝上級生の意地を見せるぞ〞と伝えました」

試合終了まで約5分。エース欠場の草津東は、ここから3年生が粘りのあるバスケットを見せて初優勝を飾った。

草津東は全員でパスを回すパッシングオフェンスが特徴である。どこからでも得点できるメリットがある一方で、パスミスが即失点につながるリスクもある。このスタイルを貫くには勇気と覚悟が必要。決勝の〝残り5分〞は3年生の勇気と覚悟が出た場面だったと言えそうだ。

だが、草津東の挑戦はまだ始まったばかりだ。あくまで目標は「全国ベスト8」(河野)である。

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