2019.04.26
こども記者の社会見学 <第2回>株式会社 叶匠寿庵
県内の小学生記者が滋賀の企業や施設を訪問し、ちょこっと社会勉強する本企画。
今回は全国74店舗を展開する和菓子の「叶 匠壽庵」さんへ。工場のある大津市の「寿長生の郷」で子供たちが見たものとは…。
農工ひとつを体現する和菓子作りの思い
銘菓 「あも」 で全国的に知られる和菓子の 「叶 匠壽庵」。 自然豊かな大津市大石の 「寿長生の郷」 を拠点に、菓子づくりの理想を追い求めている。
その郷を象徴するのが敷地内にある広大な梅林。 菓子づくりは素材づくりからの思いで、和菓子に最も適した品種を探し求め、自らの手で育てている。 社名の叶は「お客様のお口に叶いますように」 という職人たちの願いを。 匠は 「職人芸を守り一家をなす」 というものづくりへの姿勢。壽は 「いのち永くいきる事をことほぐ歓び」 というおもてなしの考え。庵は 「自然に抱かれた小さな菓房」を意味し、創業時より変わらぬ湖国・近江に根差した、お客様に喜ばれ求められる菓子処でありたいとの願いが込められている。 小学生記者たちは今回の社会見学を通して、ものづくりの奥深さを学んでいった。
【1】まずは健康チェック!
菓子づくりで大切なのはまず職人の健康。工場には健康な人しか入れません。「みなさん、元気ですか~?」。
【2】ホコリを入念に除去
工場に入るにはマスク、帽子、白衣を着用し、ローラーでのホコリ除去、手洗い、アルコール消毒、エアシャワーが必要。今井真敬(小5)記者は、メモに「念入り!」と記入。
【3】作りたての小豆、甘くない
工場内の梅蔵で梅と梅酒を見たあと、餡(あん)の製造を見学。大釜で蒸した小豆を試食。國松滉(小4)記者の感想は…「ん? 甘くない」。この後、蜜漬けし、寒天(かんてん)と一緒に炊きあげて、だんだん銘菓「あも」になっていく。
【4】ツヤツヤもち米に感動
蒸されたツヤツヤのもち米。砂糖と混ぜ合わせながら餅を作っていく。
【5】おはぎ作りへ
おはぎ作りの説明を受ける3人。「ああやって、あんこと餅を包餡機(ほうあんき)に入れて固めるんですよ」
【6】あんこ作りを体験
蜜漬けにした小豆を寒天と合わせて炊き上げていく。焦げ付かないように混ぜながら…「けっこう重い」とは仁平結莉(小5)記者。
【7】生菓子は手作り!
寿長生の郷」茶室でいただける生菓子は、一つひとつが職人の手作り。手持ちのピンクの材料は、ういろう。
【8】出荷準備という名の…
出荷のお手伝いとして、名前を呼ばれたお菓子を袋に入れていく記者たち。「入れ終わった?では、それをみなさんの自宅までしっかり届けてくださいね」。なんとも粋なプレゼント。「ありがとうございます!」と記者たちは笑顔。
【9】茶道も体験
敷地内にある茶室で茶道を体験。3月限定の生菓子とお抹茶をいただいた。今井記者は今回の見学について「伝統的でありながら、新しいものを取り入れていることに驚いた」と感想を述べた。
※普段、工場見学は行っておりません。 子供たちにいろんな経験をさせる機会を作りたいという「レイクスマガジン」の想いに賛同いただいて特別に行っております。
今回のこども記者さん
仁平結莉(小5)、今井真敬(小5)、國松滉(小4)
株式会社 叶 匠寿庵
昭和33年創業。長等に総本店を構え、本社および工場は六万三千坪の丘陵地にある「寿長生の郷」にある。自然の谷川と山林をそのままに残した郷では、こだわりの素材「城州白梅」を育てる梅林もある。銘菓「あも」をはじめ、近江羽二重餅粉を使った「大石最中」などが有名。