2022.02.08
プロライセンスを持つ超新星 イタリア26五輪へ“ゴン攻め” 清水さら[スノーボード/ハーフパイプ]
高難度のクリップラーに挑戦
ヤマゼン・ロック・ザ・キッズ所属の清水さら(平野小学校6年)が、2021年3月の第39回JSBA全日本選手権大会・ハーフパイプ競技オープン女子の部で優勝した。当時11歳による栄冠は、年齢制限のないこのクラスで史上最年少タイ記録。この結果を受けて、念願のプロライセンスも取得。「目標にしてきた大会での優勝だったのですごくうれしかった」と無邪気な笑顔を見せた。全日本選手権では予選を3位で通過し、ファイナリスト8人に残った。周りは年上ばかりだったが「緊張はしなかった」という。
「1本目から乗れて、フロントセブン(横回転トリック)をしっかり決めることができた。優勝もうれしいけれど、ちゃんと着地できたことが良かったです」
物怖じしない性格が持ち味の一つだが、魅力は常に挑戦し続ける姿勢だろう。今オフにはクリップラーという高難度技にトライしてきた。「クリップラーは横回転を交えながら縦に回転する技。女子ではほとんど見かけない」かなり危険を伴うトリックらしい。だが、「これから世界に出て勝負していくためには必要な技」と、ためらわずにトライ&エラーを繰り返してきたという。そして今シーズン初戦のカムイみかさオープン2021でも迷わずトライ。着地がやや乱れたものの、攻めのライディングで準優勝に輝いた。
雪なし県から五輪の頂を狙う
清水は物心がつく前から親と一緒に雪山で遊んできた。スノボは4歳からはじめ、ハーフパイプは6歳から行ってきた。そして2018年から地元・大津市に拠点を置くヤマゼン・ロック・ザ・キッズに所属。冬の週末は雪を求めて岐阜などへ出向き、オフ期は愛知の練習施設「ヤマゼン愛知クエスト」や滋賀県内の体操クラブなどで技の感覚を研ぎ澄ませてきた。
転機が訪れたのは昨シーズン。日本代表も所属するヤマゼン・ロック・ザ・キッズの中で、将来が期待される若手8人に選ばれた。清水は「すごく自信になりましたし、はげみにもなった」と振り返る。そして、その自信を胸に挑んだ全日本で最年少優勝という偉業を達成することになる。
母・里紗さんは「ヤマゼン愛知クエストのおかげで、夏場でもスキルを磨けます。環境面は恵まれていますし、(雪なし県と言われる)滋賀でもちゃんと成長できると思います」と話す。
近い将来の目標は、2026年イタリア冬季オリンピックでの「金メダル」。それに向け、まずはナショナルチーム入りを狙っている。東京2020オリンピックのスケートボード競技では13歳の西矢椛が攻めの姿勢を貫き、日本人歴代最年少の金メダルを獲得した。だが、先述の通り〝ゴン攻め〞では清水も負けてはいない。4年後のイタリアで、今度は16歳の清水が〝真夏〞ではなく〝真冬の大冒険〞を見せてくれるに違いない。
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清水さら
ヤマゼンロックザキッズ
しみず・さら。2009年11月12日生まれ、大津市出身。平野小学校6年。ヤマゼン・ロック・ザ・キッズ所属。4歳からスノボを始め、小学1年生からハーフパイプの大会に出場。小学4年生で日本スノーボード協会 中部・東海・西日本地区大会ハーフパイプ・ユース女子部門(U-14)に優勝(全国大会はコロナ禍で中止)。小学5年生時(2021年3月)には全日本選手権大会オープン女子の部で優勝。その結果を受けてプロライセンスを取得。今シーズン初戦のカムイみかさオープン2021で準優勝。150㎝。 [スノ