2019.03.15

[フィギュアスケート]綾羽高校/滋賀県立アイスアリーナクラブ 本田ルーカス剛史

「最近のスケーターには珍しく骨太というか、”男気”のあるジャンプがいいと思います」

長沢琴枝コーチは、綾羽高校の本田ルーカス剛史(1年)の魅力をそう評す。 本田自身も 「高さと幅のある大きなジャンプが持ち味ですね」 と話す。 愛嬌のあるルックスとは違い、彼のスケーティングにはエナジーがあふれる。

本田が生まれたのは兵庫県。 海あり県の出身で、ルーカスという名前から 「ハーフ?とよく聞かれます。 家系に日系ブラジル人はいますが、僕にその”血”は入ってない。ご期待にそえなくて…(笑)」 と茶目っ気たっぷりに答える。 フィギュア・ファンから人気を集めるのは、この人柄にもありそうだ。

滋賀には長沢コーチを慕ってやってきた。 「中学2年の時は、長沢コーチが岡山にいらっしゃったので、週2回ほど岡山通い。 中学3年になって長沢コーチが(自宅のある)滋賀に戻られたので今度は滋賀通い…。 そして高校入学を機に、思い切って滋賀で一人暮らしすることにしました」

綾羽高校の通信制に通い、3月で1年を迎える。学校にいく週1回以外は、朝と夜を合わせて多い日で1日6時間も氷上練習を繰り返してきた。 そして食事はほぼ自炊で、家事も自分。 それでも「自分で選んだ道なので苦じゃない。 早起きがたまに厳しい時もはありますが(笑)」 と笑う。

そんな日々を乗り越え、本田が目指しているのは国内最高峰の全日本選手権という晴れ舞台だ。

「大きいジャンプだと言われますが、まだ4回転は跳べていない。 今はジュニアでも4回転を跳ぶ選手がいるので、もう少しジュニアでジャンプを鍛えて、それからシニアに上がりたいと思います」

今年1月末の冬季国体(北海道)では、小林隼(仰木中3年)と共に滋賀代表として出場し、少年男子として県初の8位入賞を果たした。1学年下の小林は 「一緒に練習することも多く、すごく参考になる」と話す。 兵庫から滋賀にやってきた将来のトップスケーター候補は、成績だけではなく、湖国にいい刺激ももたらしている。

本田 ルーカス剛史

綾羽高校/滋賀県立アイスアリーナクラブ

Profile/ほんだ・るーかす・つよし。2003年9月15日生まれ、兵庫県出身。尼崎市立塚口中学を経て、綾羽高校へ。小学2年から競技をはじめ、小学5年の全日本ノービスBで4位、小学6年時には全日本ノービスAで5位に入るなど早くから才能を開花させた。2018年の全国中学生大会ではショート1位、フリー3位に。今年のインターハイでは高校1年ながら5位に入賞。滋賀の選手として挑んだ国体では少年男子8位入賞を果たしている。SPは「ベルセルク Aria」、FPは「カルメン」。

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