2019.03.22

[ホッケー]岐阜朝日クラブ/(公社)ぎふ瑞穂スポーツガーデン 山田翔太・吉川貴史

昨年8月、男子ホッケー日本代表がアジア大会で初優勝した。 のちに”ジャカルタの奇跡”と呼ばれるこの快挙を、ディフェンス面で支えた滋賀の選手が2人いる。 岐阜朝日クラブ(ぎふ瑞穂スポーツガーデン)に所属する山田翔太と吉川貴史だ。

マレーシアとのアジア大会決勝は最大3点ビハインドという苦しい展開を強いられた。 だが、結果的に点差が開いたおかげで勝てた部分もあると山田は振り返る。

「正直、あれだけ点差が開いた時点でチームの雰囲気は落ちました。でも、逆に気持ちが吹っ切れたというか、がむしゃらにみんなで点を取りにいけた部分もある」

最終的には残り13秒で6-6の同点に追いつき、サッカーで言うPK戦に近いシュートオフ(SO)にもつれた。 そこで3人を止め、勝利を呼び込んだのがGK吉川だった。

「SOは止める自信がありました。 でも、第2Qで自分が出てすぐに失点して1-4に。 失点しかしてない印象です。 みんなが頑張って追いついてくれて、最後にいいところを持っていっただけです(笑)」

日本は開催国枠で来年の東京オリンピック出場がすでに決まっていた。優勝すれば五輪出場が決まるアジア大会を制す必要性は、ある意味なかったとも言える。 だが、1968年のメキシコ大会から遠ざかっている五輪に”お情け”で行くのではなく、自らの実力で出場権をもぎ取ったことは本番での大きな自信になる。 それを支えてきたのが所属先だ。

山田は 「岐阜ではホッケーに専念できる環境を整えていただいている。 コンディションのサポートが大きく、代表にずっと呼ばれているのはそのおかげ」 と話す。

吉川も 「グランドがあって、筋トレルームも充実している。 ホッケーに集中できていますし、自分も岐阜にきてからずっと体調が安定している。 なんとか代表に残り続けて、東京に出て、少しでも恩返ししたい」 と笑顔を見せた。

ホッケーの街”伊吹”で育ち、ずっと同じチームでプレーしてきた同級生。 これからもニッポンのゴールを共に死守するつもりだ。


山田翔太
Profile/やまだ・しょうた。1994年12月21日生まれ、米原市出身。伊吹山中学、伊吹高校、天理大学を経て、岐阜朝日クラブ/(公社)ぎふ瑞穂スポーツガーデンへ。2014年から日本代表入りし、現在はDFの中心選手に成長。ペナルティコーナーのフリッカーとしても活躍する。


吉川貴史
Profile/よしかわ・たかし。1994年11月29日生まれ、米原市出身。伊吹山中学、伊吹高校、天理大学を経て、岐阜朝日クラブ/(公社)ぎふ瑞穂スポーツガーデンへ。2014年から日本代表で活躍する守護神。アジア大会ではシュートアウト(SO)で好セーブを連発し初Vに貢献。





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