2018.12.01

[陸上競技]長浜市陸上スポーツ教室

タイムより“かっこいい”フォーム。目線を変えて、伸びしろを育てる。

今から約45年前に長浜市陸上スポーツ教室は始まった。 現在の登録人数は小中学生を合わせて約350人。 歴史でも、規模でも、滋賀を代表する陸上教室と言える。 さらに今年は男子4×100mリレーで、4月の滋賀県リレーカーニバルと7月の全国小学生陸上競技交流大会滋賀大会で大会新も樹立。 実力も折り紙付きというわけだ。

だが、長年この教室に関わっている長浜市陸上競技協会の中川順博会長は 「うちはタイムよりも正しいフォームで走っている子の方が尊敬の眼差しで見られるんですよ(笑)」と穏やかな表情で話す。 小中学生の間は成長曲線のバラツキが激しいため、タイムは参考にならないという考えから、指導の目線を少しズラしていると言う。
「小学6年でも中学3年くらいの体格の子もいれば、まだまだ小さい子もいる。 タイムはそれに比例することが多く、今が速いから将来的にも…という物差しにはならないと思っています。 逆に、脳の発達が著しい小学生年代に正しいフォームを身につけることは、中学、高校で生きてくると思います」

目指しているのは”かっこいい”フォーム。 それを作る上での合言葉は 「ひじ・ひざ・体幹」 だ。 小学3年から教室に通う水上星那(長浜北小6年)は 「正しいフォームを身につけるために、ひじ、ひざ、体幹を意識するように言われます。 自分ではそれを意識することで、だんだんフォームが綺麗になってきたと思います」と話す。それに比例して1000mのタイムも速くなったそうだ。

また、小学4年から通う北川裕基(南郷里小6年)は、中川会長の手作り振り子器具を使って、ひじの使い方が変わったと話す。
「今年から(ヨーヨーのように)ひもがついた空き瓶を誰かに振ってもらい、それに合わせて、ひじを高く上げる練習をはじめた。 振り子の動きを目でみて、そのイメージでひじを上げる練習をするうちに、スムーズにひじを上げられるようになった気がします」

もちろん、この練習だけが要因ではないだろうが、100mで約1秒、1000mで約11秒も自己ベストが速くなったと北川は話す。

”結果は後からついてくる”という表現があるが、それをこの陸上教室に当てはめると”正しいフォームを身につければ、タイムは後からついてくる”になろうか。歴史ある陸上教室が長年の指導でたどりついた一つの答えである。

長浜市陸上スポーツ教室


Profile/長浜市陸上競技協会の主催で1973年から開催。現在、長浜市の小中学生を合わせて約350人が登録している県内最大規模の陸上教室。今年4月の滋賀県リレーカーニバル(4×100mリレー)では男子Aが53秒20で大会新をマーク。7月の全国小学生陸上競技交流大会滋賀大会でも同種目で52秒33の大会新を樹立した。

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