2019.01.09

[硬式野球]湖南ビッグボーイズ 樋上颯太・坂 玲哉

2014年のドラフト(5位)で阪神タイガースに入団した植田海(甲賀市出身/近江高校卒)など、多くの逸材を輩出している 「湖南ビッグボーイズ」。〝ホームランを打てる選手を育てる〞という方針のもと、2018年度には若き侍ジャパン(U-15日本代表)に2人の選手を送り出した。 投手・樋上颯太(中主中3年)と捕手・坂玲哉(水口中3年)である。

2人は2018年夏にパナマで開催された 「第4回WBSC U-15ワールドカップ」 に出場し、2試合でバッテリーを組んでいる。

その最初の試合は、オープニングラウンド第2戦のオランダ戦だ。 序盤は樋上の投球が乱れてオランダに1失点を許したものの、そこから持ち直して4回無失点の好投を見せ、11-1と日本の勝利に貢献した。

樋上は 「いつもは緊張するタイプではない。 初めて緊張を感じた試合。 1失点して、いい意味で開き直れたのがよかった」 と話す。 樋上にとって最も印象に残ったのがこのオランダ戦だった。

一方の坂が最も印象に残っている試合はオープニングラウンドのキューバ戦。 前回王者を相手に坂は同点ホームランを放っている。

「最初の2回で7失点し、そこから6-7まで追いつき5回裏に自分のホームランで一時は同点に追いついた。 あんなに試合中に喜びを爆発させたのは初めてでした」

この大会で日本は12カ国中4位の好成績をおさめた。 だが、もともと初優勝を目指して挑んでいたため、2人は 「悔しい。 次はU-18日本代表に入ってリベンジしたい」と口を揃えた。

そんな2人が出会ったのは湖南ビッグボーイズに入った中学1年。それまでは試合で対戦したこともなかったという。 だが、最初の出会いからお互いに感じるところがあった。 樋上はこう振り返る。

「初めてボールを受けてもらった時、(坂は)全部受け止めてくれた。小学生の頃に、あんなに安心感を感じたことはなかった」

小学生時代は投手だった坂は、樋上の速球を 「いい球やなぁ」 と感じてキャッチしていたという。 それ以来、2人は二人三脚で湖南ビッグボーイズの躍進を支えた。

そして春からは同じ関西の高校に進学し、甲子園を目指す予定だと話す。 2017年に初戦で惜敗した「タイガースカップ」 の悔しさが、2人を甲子園へかりたてているようだ。 坂はこう話す。

「中学2年時のタイガースカップで初戦敗退。 甲子園を経験できたのはよかったけれど…」

樋上も 「甲子園には借りがある。高校で返すしかない」 と話す。

甲子園に忘れた優勝という宝物を探しにいく二人旅は今春からはじまる。 その先には、憧れのU-18日本代表のユニフォームがある。


樋上颯太
Profile/ひのうえ・そうた。2003年度生まれ。中主野球スポーツ少年団から湖南ビッグボーイズへ。中主中学3年。投手。173㎝、78㎏。
MAX143㎞の速球を武器に「2018第4回WBSC U-15ワールドカップ」ではU-15日本代表として2試合に登板。関西ボーイズ最強右腕との呼び声もある。


坂 玲哉
Profile/さか・れいや。2003年度生まれ。伴谷少年野球クラブから湖南ビッグボーイズへ。水口中学3年。捕手。178㎝、75㎏。
「2018第4回WBSC U-15ワールドカップ」ではU-15日本代表として9試合中8試合に出場。強豪キューバ戦ではホームランも記録。強肩を生かした守備にも定評あり。





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