2017.07.01

【Face of Campus SPECIAL】地域とスポーツを結ぶ②

熊本をスポーツで元気に。 その想いで 「KS1」 を創設。

2016年4月の大地震からの復興を目指している熊本。 その支援の一つとして現地で運動教室を開いているのが、立命館大学スポーツ健康科学部の学生団体 「KS1」 だ。月に一度、メンバーたちは約800人が仮設住宅で暮らしている阿蘇郡西原村を訪ねる。 初めは運動不足の解消を目的に 「1、2回限定の開催予定だったが…」 と代表の嶋晴菜さんは話す。

「西原村は高齢者が多く、運動不足の解消は大切です。 でも、最初の教室が終わった後にメンバーと何時間も話し合った結果、求められているのはみんなが集まれるコミュニティの場ではないかと。だったら1、2回ではなく、継続しないと人と人とを結ぶことはできない。 月に一度、1年間続けることにしました」

「KS1」 の活動は 「被災地のために何か貢献できないか」 という嶋さんの想いから始まった。 そして2017年の10月で区切りの1年を迎える。

「自分には何ができるかを考えた時、大学で学んでいるスポーツ分野の知識を活かせないかと思いました。 運動の必要性を話したり、滋賀の”じだらく体操”なんかも取り入れたり。 楽しみながら健康になるプログラムを作ってきました。 最初は人を集めるのが大変でしたが、徐々に認知度も上がって多い時で20人ほどが足を運んでくれるようにもなりました。 でも、予定の1年を前に大きな課題を抱えています」

課題とは教室運営を 「KS1」から地元団体へバトンタッチすること。 地元の人たち同士で支えあうことが1番大事だと嶋さんは考えている。
「他県や遠方の地域から来る人の支援ではなく、地元の人たちが自立したコミュニティを持てることが大切です。 この活動は復興支援の風化を防ぐことが第一目的ではなく、コミュニティを作るお手伝いをすることが目的ですから」

西原村での活動を終えた10月以降は、熊本県内で 「KS1」 の活動を展開していく予定だと話す。

立命館大学

[TOPICS 1]スポーツ健康コミュニティの拠点「BKCスポーツ健康コモンズ」 誕生

スポーツを通じた社会貢献と地域連携の推進を進める立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)。その拠点の一つとして2 016年9月に完成したのが「BKCスポーツ健康コモンズ」だ。開放的なアリーナをはじめ、多目的スペース、トレーニングルーム、2 5mの室内プール(7コース)、50mの屋外プール(4コース)などを備えた大型施設は、学生・教職員・校友・地域の人々がスポーツ・健康づくりを通じて交流・連携を図るのが目的。また学生にドリンク(3種)を無料で提供するカフェ「リラックスコモンズ(shirucafe)」も併設。単なる運動施設ではなく、”交流の場”としての機能を備えているのが大きな魅力と言える。

[TOPICS 2]クインススタジアムを日本陸連第4種公認へ申請中

BKC正門を抜けたところにある「クインススタジアム」。BKCでのスポーツを通じた交流・健康づくりの拠点の一つであるこのスタジアムは、日本陸上競技連盟の第4種競技場の公認取得に向けて申請中。取得後は大会や記録会などを開き、そこで出たタイムなどは日本陸連の公認記録として認められることに。また、中央の天然芝フィールドを利用してスポーツイベントなどの計画も進行中。本当の意味で地域に開かれたスタジアムになりそうだ。

嶋 晴菜さん

立命館大学スポーツ健康科学部3回生

Profile/しま・せいな。京都府出身。立命館宇治高等学校卒。小学1年から硬式テニスをはじめ、中学時代にはダブルスで全国制覇。高校2年の時には全国選抜(団体)に出場。大学では2016 年に「KS1」を立ち上げ、トレーニングの基礎やスポーツ心理学など日頃から学んでいる知識を現場で活かしている。

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