2016.11.29

卓球チーム 彦根JOY

卓球が強い立派な社会人を育てたい。

今から約18年前、わずか6人でスタートした「彦根JOY(ジョイ)」は、現在約25名 (小・中学生合わせて)が所属する大所帯になった。今夏には5人の選手が滋賀県を制して全日本ホープスカーブ・バンビの部に出場し、うち4人が全国大会の予選リーグを突破。堀田健政(6年)がベスト32まで駒を進めるなど毎年のように有望選手を輩出している。よほど厳しい練習をしているのだろう、と想像して取材にうかがった。だが、櫻田浩子監督が「練習は普通です。(練習拠点の卓球センターが)定休日以外は練習をしていますが、週に何回来るかは本人次第」と話すように、スパルタ感は感じられない。ただ、練習場に張りつめた空気はあった。

櫻田監督は言う。「うちは技術面を口うるさくは言いません。成長には個人差もありますから。でも、練習に集中していないと厳しく注意します。やる時は一生懸命。強い選手ではなく、“卓球がすごく強い立派な社会人”を育てたいと思ってやっています」そんな方針の中で、興味深いのが日替わりキャプテン制だ。当番に当たった小学6年以上の選手は、挨拶や号令、練習準備、後片付け、体操などチームのまとめ役になる。「キャプテンになることで人の気持ちが分かるようになってほしい」(櫻田)というのも一つの狙いとしてはあるようだ。取材時、キャプテンを務めた雨森聖(6年)は言う。「今年の全国大会で予選リーグを突破できた。フットワーク練習とか厳しいメニューもあるし、キャプテンの日は怒 られ役にもなるのでイヤな時もある。でも、集中してがんばってきたから結果が出せたのだとも思います」という。やる時はやる。このメリハリが立派な社会人につながるのかもしれない。

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