2022.03.14
滋賀で育った華の第1期生 堤 茉央 [ウエイトリフティング]
はじまりは滋賀レイキッズ。人生を変えた競技との出会い。
ウエイトに出会い単身で祖母の家へ
2014年に産声を上げた滋賀レイキッズ。その第1期生は逸材揃いだ。例えば、アーチェリー世界ユース選手権のジュニア部門・団体で優勝した渋谷樹里(東京・足立新田高校)や、今シーズンからJ1ジュビロ磐田でプレーする古川陽介(静岡学園高校)など。まさに〝華の第1期生〞である。
安曇川高校ウエイトリフティング部の堤茉央(3年)もその一人だ。滋賀レイキッズでウエイトリフティングと出会い、そのおもしろさに魅了されたという。「昔から何でもすぐにできる方でした。バク転も初めての挑戦でヒョイっと(笑)。小5でウエイトリフティングに初挑戦した時も3㎏をチョイっと挙げられました(笑)。それを見ていた安曇川高校の堀内先生(康晴/故人)から〝才能ある〞と言われた。すごくうれしかったのを覚えています。そして安曇川高校の練習に参加させてもらい、ここでウエイトリフティングをやりたいと思いました」
当時、竜王町に住んでいた堤は小学校卒業を機に親元を離れて祖母が暮らす長浜市へ。高月中学に通いながら、放課後は少し離れた安曇川高校へ出向いて練習を重ねていった。
滋賀レイキッズで栄養の大切さを知る
現在、安曇川高校ウエイトリフティング部は、堀内監督の跡を継ぎ西沢悟監督が指導している。安曇川高校OBで、今も全日本社会人選手権に出場する現役選手でもある。自らの競技生活から導き出した指導方針は「自分で考えて行動する」ことだった。
「せっかくウエイトリフティングに出会ったのだから、少しでも長く競技を続けてほしい。そのためには選手としての自立が必要です。やらされるのではなく、自分からやる。それが今の安曇川高校の基本です」
取材日の部活は淡々と進んでいった。ホワイトボードに書かれた時間割を参考に、全員が無駄なく動いていく。そこには大学や実業団のような自立した選手たちの姿があった。
この方針の中で、堤は滋賀レイキッズでの経験が活きていると話す。「栄養学のプログラムがあって、それから栄養を意識するようになりました。何を、どれくらい、どのタイミングで摂ればいいか。あの経験があって栄養について勉強するようになりましたし、実行すればコンディション維持や筋力アップにつながることを実感しています。ウエイトリフティングとの出会いだけではなく、いろいろな面で滋賀レイキッズには感謝ですね」
一つの恩返しの舞台が、2025年の滋賀国スポである。
「もちろん、選んでいただけるなら滋賀国スポには出たいです。でも、その前にパリ2024オリンピックもあります。オリンピックで活躍してから滋賀国スポへ。それを狙っていきます」
春から名門・早稲田大学へ進学する。オリンピックへの挑戦がいよいよ本格的にスタートする。
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堤 茉央
安曇川高校
つつみ・まお。2004年1月31日生まれ、竜王町出身。竜王小学校、高月中学校を経て安曇川高校へ。現在の階級は55kg級。小学6年時に滋賀レイキッズでウエイトリフティングに出会い、中学2年時には全国3位を経験。高校1年で全日本選手権6位、全日本ジュニア3位、高校2年は全国選抜3位、高校3年は初開催のインターハイで4位など輝かしい成績を残す。