2018.02.03

[体操]仙台大学 五島誉博

G難度 「ゴシマ」 を武器に2020東京へ。のスペシャリストの挑戦。

”王子”以上のひねり

体操では初めて成功させたオリジナルの新技にアスリートの名前が命名されることがある。 日本人選手で馴染みのある例で言えば、平行棒の「モリスエ(森末慎二)」や跳馬の 「ツカハラ(塚原光男)」、床や跳馬の 「シライ(白井健三)」など。 いずれも時代の先頭を走ってきた選手たち。 自分の名前が技に付くことは体操選手の一つの目標であり、ステータスでもある。

湖国出身の五島誉博(仙台大学4年生)も自分の苗字 「ゴシマ」 を命名された選手の一人だ。

2017年3月にドイツで行われた国際大会の床運動で、五島は 「前方心身宙返り3回半ひねり」 という技を成功させた。これによって国際体操連盟(FIG)が同年4月に命名した。”ひねり王子”白井健三のF難度技 「シライ2」 よりも”半ひねり”多いG難度の新技だった。
「大学1年の夏にはシライ2は成功できていて、まだ余裕があるなと思って…。 当時は遊びのつもりでしたけど、冬にさらに半ひねりを加えることができました」

メンバー外でスイッチ入る

新技開発のターニングポイントは大学1年時の全日本インカレで団体メンバーから外れたこと。 栗東高校時代の恩師で、大学の先輩でもある寺田有佑顧問はこう話す。
「高校までは選手も少ないですし、試合に出られて当たり前の環境で競技をしてきた。 でも、大学では周りのレベルも高く、試合に出られないことがあるのかと初めて知ったのだと思います。 それでスイッチが入ったのでしょう」

当時を振り返り、五島は 「まさかのメンバー外。 悔しくて、とにかく練習をしまくった」 と言う。 この経験がG難度 「ゴシマ」 開発のきっかけになった。 この春に大学を卒業し、4月からは社会人になる。 大きく競技環境は変わるが、目標はブレずに東京オリンピック出場、そしてメダル獲得だ。
「大学では高校と違って自分で考えて練習メニューを組んでやってきた。 常に自分の課題と向き合ってきた経験は社会人になって役立つと思う。しっかり自分の体操を追求して、床で東京オリンピックに出たいと思っています」

湖国発の床のスペシャリストが、世界をあっと驚かす日は近い。

五島 誉博

仙台大学

Profile ごしま・たかひろ。1996年2月23日生まれ、近江八幡市出身。近江八幡市立岡山小学校、八幡中学校、栗東高校を経て仙台大学へ。祖父の影響で小学3年から体操を始め、小学4年からK.R.M体操センター(当時は栗東体操クラブ)の選手コースへ。高校時代は全日本ジュニアの床運動で5位、国体(団体)7位入賞。大学3年生の2016年に全日本種目別選手権(床運動)で3位に。160cm、52kg。

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