2018.03.03
[ウェイトリフティング 69kg級]びわこ成蹊スポーツ大学 大塚 和
「通過点。」
パリ経由、滋賀国体。日本トップリフターが描く青写真。
納豆効果?で安定感
昨年12月21・22日に行われた 「関西学生選手権大会」で、びわこ成蹊スポーツ大学ウェイトリフティング部の大塚和(3 年生)は 「安定感が増した」 と実感した。 大学対抗としては4位だったものの、個人ではスナッチ120㎏、ジャーク160㎏、トータル280㎏で1位に輝き、大会記録も塗り替えたからかもしれない。
安定感が増した理由はいろいろとある。 全日本合宿で教わったスクワットメニューを取り入れたこと、さらに日の丸を背負う意味を知ったことなど。 身近なところでは納豆の存在があった。
「練習後にプロテインを飲むこともある。 でも、できるだけ自然のものから筋肉の素となるタンパク質を取りたいと思って、半年くらい前から納豆を食べるようにしました。 ほぼ毎日、夜食で。 すると体の調子が良くなって好不調の波が小さくなった。筋肉を付けようと思って始めた習慣でしたが、うれしい誤算ですね」
目標は地元国体での入賞
国内最高峰の全日本選手権で6位に入るなど、今や国内トップリフターの仲間入りを果たしている大塚だが、将来の目標は意外にも 「6年後の滋賀国体で入賞すること」 だという。 その間には、20年東京、24年パリという2回のオリンピックがあるのに…。
「東京は間に合わないと思いますが、パリは狙ってますよ。 強化指定の候補選手でもありますから。 でも、将来の目標はあくまで地元国体での入賞です。 お世話になった方々に恩返ししたいからです」
つまり、大塚にとってオリンピックは通過点というわけだ。
とはいえ、6年もの間、トップリフターであり続けるのは難しい。 高校時代には肩などの故障にも悩まされてきた大塚にとってはなおさらだ。 大学で高校よりも一つ上の69㎏級に階級を上げたのも長く競技を続けるためだった。
「ケガ予防のため筋肉を増やし、身体を補強する必要があった。でも筋肉を増やすと高校の時の62㎏級では体重オーバーになるため、階級を上げるしかなかった。 小柄なので階級を上げると勝てないリスクもありましたが、どうしても滋賀国体まで続けたかったので、その選択しかありませんでした」
アレルギー体質もあり、限られた食材で体重を増やすのは困難を極めた。1回の食事で白ご飯の量を増やすなど試行錯誤を繰り返した。その工夫の一つに先述した 「納豆」 もあった。
大塚の今シーズンは3月10日開幕の全日本学生ウェイトリフティング選抜大会で幕を開ける。 5月には照準を合わせる全日本選手権も控えている。 パリ経由、滋賀国体を狙う大塚は 「全日本学生は必ず表彰台、5月の全日本はしっかり上位を狙いたい」
と拳を強く握った。
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大塚 和
びわこ成蹊スポーツ大学
Profile おおつか・とも。1996年6月25日生まれ、高島市出身。安曇川高校でウェイトリフティングに出会い、3年時には62㎏級で春の選抜大会と夏のインターハイの2冠を達成。大学進学後は69㎏級に階級を上げ、2017年は関西学生選抜と西日本学生選抜、関西学生選手権の3大会で優勝。全日本選手権6位などの好成績を残した。自己ベストはスナッチ126㎏、ジャーク160㎏、トータル286㎏。161.7cm、69kg。