2025.12.19

忘れられない国スポの〝4レース〞 その経験を 26 年の飛躍へつなぐ

 桐生祥秀(日本生命)を育んだ滋賀の陸上短距離界。現在、その流れを受け継ぎ、けん引しているのが林 拓優(トーチライト)である。

 滋賀国スポで陸上男子のキャプテンを務めた林は、25年で最も印象に残っている大会を滋賀国スポだと話す。

「地元開催でもあり、昨年からずっとこの大会で活躍したいと思い続けてきました。7月の日本選手権では悔しい結果に終わったため、自分の中で国スポを日本選手権のリベンジの場と捉え、夏以降はその準備を進めてきました。7月以降は好調が続き、国スポ直前の全日本実業団では自己ベストを更新するなど、非常に良い状態で国スポに臨むことができました」

 だが、ケガの影響もあって国スポは100m・4×100mリレーともに入賞できず。「滋賀県代表として不甲斐なく感じています」と振り返る。その一方で、地元開催の国スポは思い出深いレースにもなった。

「地元選手ということでたくさんの方々から声援を受けて4レースを走りました。本当に力になりましたし、一生忘れることのない素晴らしい経験でした。競技者としての在り方を改めて考えさせられましたし、この経験を活かし、競技者として、社会人として大きく成長していきたいと思います」

 

26年の目標は日本代表

 26年は5月の「世界リレー」、9月の「アジア大会」(愛知)への出場を目標に掲げている。

「年々レベルが上がっている短距離界で代表の座をつかみ取ることは決して簡単ではありません。〝日本代表〞になったことがない自分にとっては大きな〝挑戦〞です。でも、自己記録更新や大会での成績を通じて、自分も確実に成長できていると感じています。この〝成長できている〞という実感を自信に変え、現在は冬季練習に取り組んでいます。自信を持ってやりきれた時にこそ、見えてくるものがあると思いますし、まずは〝やりきること〞を大切にしたいと思っています」

 地元・国スポの経験を次へ。林の新たなステージが始まる。

写真/本人提供

林 拓優

トーチライト

1999年生まれ、大津市出身。南郷中学、龍谷大平安高校、日本体育大学、同大学院を経て、トーチライトへ。2023年の日本選手権200m 8位ほか。

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