2025.05.01

滋賀レイキッズの〝レガシー〞

 出会ってしまった。渋谷樹里にとってアーチェリーはそういう感覚ではないだろうか。

 渋谷は小学生の頃、県の取り組みである「次世代アスリート発掘育成プロジェクト(滋賀レイキッズ)」の第1期生に選ばれた。プロジェクトではフェンシングやボートなどさまざまなスポーツを経験し、その中でアーチェリーに魅了された。

 才能は瞬く間に開花し、中学3年時には全国制覇を果たす。そして将来のオリンピアン候補が集まるJOCアカデミー(都立足立新田高校)へ進学した。勉学の成績が優秀だった渋谷にはほかの選択肢もあった。だが、悩んだ末にアーチェリーの道を選ぶことになる。〝出会ってしまった〞と表現したのは、そういう背景があるからだ。

 早稲田大学4年生になった渋谷は、今年度からレイクスファンドサポートアスリートとしても活動する。「(レイクスターズファンドのサポートを受けている)オーパル オプテックスカヌーチームで妹がカヌーをしていた。その関係で母が知り、応募することにしました。地元滋賀のアスリートとしてサポートしていただけることを嬉しく思います」

 今年の目標は滋賀レイキッズの頃から視野に入れてきた滋賀国スポで貢献することだ。

「今年はついに滋賀国スポが行われるので、まずはそこでチーム滋賀に貢献したいです。また、大学最後の1年になるので、全日本選手権とナショナルチーム選考会で良い結果を残すことを目指して頑張りたいと思います」

 滋賀レイキッズの〝レガシー〞が滋賀国スポのレガシーへ。この秋、彼女の一矢で湖国のスポーツが盛り上がる。

渋谷 樹里

早稲田大学

しぶや・じゅり。2003年4月29日生まれ、大津市出身。皇子山中学校、都立足立新田高校(JOCエリートアカデミー)を経て早稲田大学へ。第17回世界ユース選手権大会 ジュニア女子団体 優勝ほか。

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