2023.03.01
堪能な韓国語を 競技生活に活かす 村田希空
〈Q〉中学1年時にアルペン競技を開始。きっかけは何だったのでしょうか?
父に連れられて行った岐阜県のスキー場に、たまたまアルペン競技の練習をするところがあって。参加してみない?って声をかけられたのがきっかけです。(決まったチームに所属するのではなく)いろんなチームの練習に参加させてもらって技術を磨きました。
〈Q〉近江兄弟社高校から立命館大学に進学された理由を教えてください。
韓国語を学びつつ、東アジアの歴史や文化を学びたかったからです。高校3年生の担任の先生に立命館大学を勧められ、文学部に入って言語だけではなく歴史や現在の日韓・日中関係についても学習したいと思いました。大学では文学部人文学科東アジア研究学域に所属しています。日常会話くらいですが、韓国語も話せます。
〈Q〉現在、全日本スキー連盟の強化指定選手ですが、海外レースに出場するには強化指定選手(海外派遣選手)になる必要があるのでしょうか?
出場パターンは2通りあります。日本代表として派遣される場合と、個人で大会を選んで参加する場合です。
〈Q〉海外の試合は英語で対応されていると思いますが、選手として韓国語も活かせる場面もあるのでしょうか?
大会は英語対応ですが、韓国のナショナルチームが参加されている時は自分から近づいて韓国語を話すようにしています。貴重な実践の場ですので。また、SNSでのコミュニケーションもできるだけ韓国語を使うようにしています。韓国は平昌オリンピックで男子のイ・サンホ選手が2位に入られるなど強豪としても知られています。韓国のナショナルチームの中に入っていくことは競技面でも役立つことが多いです。
〈Q〉例えば、何が役立ちますか?
私は大学生の間にFISワールドカップに出場することを目標にしています。そのためにはFIS主催の大会に出場し、FISポイントを150ポイント獲得(日本の基準による)しないといけません。ポイントが高い大会はレベルが高い大会です。つまり、ポイントをたくさん持っている選手たちが参加する大会ということです。ですので、SNSを通じてレベルの高い韓国選手に出場するかどうかを尋ね、またオリンピアンが出るかどうかなどをリサーチして出場する大会を決めています。そういう場面で、大学での学びが活かされていると思います。
〈Q〉現在のFISポイントは?
三週間毎にポイントは変化するのですが、現在81ポイント(取材時の1月12日時点)あります。世界ランキングが94位です。ポイントはあまり変わらないのですが、今はシーズン中ですので私よりもランクが低い選手が勝ったりしていくとランキングはすぐに変動します。今シーズンはFISUワールドユニバーシティゲームズ2023(アメリカ)などの対象大会に出場してFISポイントの獲得をめざします。
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取材後日、ユニバーシティゲームズの結果が届いた。村田はパラレル・回転18位、パラレル・大回転8位入賞。
これに加え、今シーズンは韓国でのFIS大会、3月の全日本選手権に出場予定だと言う。一歩ずつだが着実に、目標のワールドカップ出場へ向けてこれからも階段を登っていく。
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村田希空
立命館大学
むらた・のあ。2002年11月1日生まれ、米原市出身。双葉中学、近江兄弟社高校を経て立命館大学(2023年4月から3年)へ。小学3年からスノーボードを始め、中学1年からアルペン競技をスタート。2017年(中学3年)からJSBA公認プロスノーボーダーとして活動。2018年全日本ジュニア選手権大会ジャイアントスラローム優勝。2018-19年および20-21年、21-22年、22-23年と全日本スキー連盟の強化指定選手(日本代表)として活動している。