2023.01.05

【高校スポーツ2023】1TDで逆転可という接戦。強豪・啓明を追い詰めた。立命館守山。

第53回 全国高等学校 アメリカンフットボール選手権大会(関西地区)

残り28秒で〝大逆転〞のシナリオ

 11月20日に大阪のMKタクシーフィールドエキスポで行われた全国高等学校アメリカンフットボール選手権大会(関西地区)2回戦。

滋賀1位の立命館守山は兵庫1位の啓明学院(啓明)と対峙した。相手は激戦区の兵庫予選を3試合無失点で勝ち上がってきた強豪。
前評判では啓明有利だったが、最初のタッチダウン(TD)は立命館守山のQB金山晃翔(1年)だった。


 
この得点で勢いづいた立命館守山は、自慢のディフェンスで相手の攻撃を抑えた。
だが、2Q残り約6分にQB大前慶一郎(3年)のパスをインターセプトされ、そのビッグプレーを機に流れは啓明へと傾く。
結局、このQで2つのTDを奪われた立命館守山は10点ビハインドで前半を折り返すことになった。
 
チームの雰囲気が沈んでいたハーフタイム。
東前 圭顧問は「いつものように楽しくやろうと声をかけました」と言う。
その言葉でいつもの明るさを取り戻した立命館守山だったが、3Q残り5分20秒頃に追加点を許し7│23と苦しい展開を強いられる。
 
だが、このTDで逆に火がついた立命館守山は、残り2分頃にRB磯部理仁(1年)がランプレーでTDを奪って10点差に。

4Q残り約2分にはWR山﨑涼介(3年)が見事なレシーブで4thダウンギャンブルを成功させて6点差に詰め寄った。

一気に流れをつかんだ立命館守山は、守備で激しいラッシュを見せ、残り1分12秒には啓明のファンブルを誘って攻撃権を獲得する。1TDを決めれば同点、その後のキックを成功させれば逆転できるというドラマチックな展開を生み出した。
 
そして残り28秒でWR山﨑へのパスが成功して1 stダウンを獲得。TDまで残り45ヤード。
大逆転のシナリオは整ったが、残念ながら最後はパス不成功という形で幕を閉じることになった。

 試合後、キャプテン井上翔太朗(3年)は目に涙を浮かべながら「負けたのは悔しいです。でも、後輩たちにいい経験をさせることができたと思います」と声を絞り出した。

選手たちを讃える拍手はしばらく鳴り止まなかった。

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