2022.11.04
【日本インカレ陸上】継承される滋賀の血統 林 拓優
わずか0.01秒に泣く
今年6月の日本選手権男子100m予選。日本体育大学の林拓優(大学院1年)は10・30秒で自己ベストを更新した。しかも、隣のレーンにいた多田修平(住友電工)に勝っての1位通過。
予選とはいえ、林のポテンシャルの高さを物語る上で充分なエピソードだろう。
林が陸上競技を始めたのは南郷中学1年から。クラブチームで野球を行い、部活で陸上競技という二足の草鞋を履いていた。当時はまだ野球か陸上競技かで悩んでいたが、練習すればするほど速くなる楽しさを知り、高校では陸上競技を選んだ。奇しくも進学したのは野球名門として名高い龍谷大学平安高校だったから面白い。
高校と大学4年間でしっかりと土台を築いた林だが、日本インカレ優勝という目標を果たせなかったため大学院への進学を選んだ。だが、今回の日本インカレも0・01秒差の2位で終わった。
「優勝するためにスタートなどの練習をしっかり積んできました。決勝も80mまではトップスピードで乗れていた。でも、勝ちたい気持が強くて、残り20mで少し固くなってしまった」
レースは0・02秒の間に3人がひしめく大混戦。
実力差というよりは、少し運が足りなかったのかもしれない。
ただ、前日の準決勝では10・25秒の自己新をマークするなど収穫もあった。
桐生祥秀(日本生命)らトップランナーを多数輩出してきた滋賀の男子100m。
林もその血統を継承する一人だと、今回の日本インカレで証明してみせた。
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林拓優
日本体育大学
大津市立大石小学校、南郷中学校、龍谷大学平安高校を経て日本体育大学へ。現在大学院1年。中学時代は野球と陸上競技を掛け持ちし、高校から陸上競技にしぼった。中学時代はJOCジュニアオリンピックに出場するなど潜在能力の高さを見せた。高校、大学着実に実力をつけ、2022年6月の日本選手権男子100m予選では自己ベストの10.30秒(当時)で多田修平(住友電工)をかわして1位通過している。