2022.05.05

INTERVIEW 01 野本大智 #16 PG DAICHI NOMOTO

すでにレイクスの主軸として活躍 進化するルーキーの胸中にせまる

2022年1月2日・3日のホームゲームを最後に、コロナ禍の影響で約2ヶ月にわたって公式戦が中止となった。ようやく再開されたのは2月26日の三遠ネオフェニックス戦。オーバータイムにもつれる接戦を制し、いい形でリスタートを切った滋賀レイクスターズだったが、翌日のGAME2からクラブワーストの13連敗と厳しい現実を突きつけられた。

だが、ルイス・ギルHCは「確実にチームも選手個人も成長している」と話す。中でも、ルーキーイヤーの野本大智はチーム内でもトップクラスの成長株だと評価する。

野本自身も特別指定選手だった昨シーズンとは違い、着実に進化しているという手応えを口にする。今やレイクスの主軸である司令塔に、まずは自身の成長について聞いてみた。

個人のベストゲームは11月のホーム島根戦

ここまでの戦いの中で、成長した部分はどこだと思いますか?

昨シーズンと比べて成長したのは気持ちの部分だと思います。まだシーズンは終わっていないですけど、試合に向かう気持ちや安定したパフォーマンスを出せる心の調整は、今シーズンで最も成長した部分だと思います。

シーズン序盤に強豪との対戦が続いた時も、メンタルの成長を挙げていました。何か特別なメンタル強化の取り組みがあったのでしょうか?

ん〜、なんだろうなぁ。具体的に何かをしたというのはないんですけど、昨シーズンは自信を失ってシーズンの終盤は調子が悪くなっちゃったので、気持ちを切らさないように、自分が良くない時でも積極性を忘れないとか、攻める姿勢を貫くなどはずっと意識してきました。それがメンタルの成長に影響していると思います。

2022年の正月から2ヶ月ほど公式戦がなかった期間は、気持ちを切らさずに何かに取り組んだのですか?

試合がないので、ずっと気持ちを張っていたわけではありません。でも、リラックスし過ぎず、いつでも試合にいけるように準備はしていました。

ただ、いつ試合があるか、中止になるか分からなかったので、とにかく気持ちを保って、体の準備を続けてきました。チーム練習が行えない時期でも、体を常に動かしていました。

試合がない期間に何かフォーカスして行ったことはありますか?

試合がある時期は疲労を溜めてはいけないので、ウエイトトレーニングで重いものを担げない。なので、中断期間を利用してウエイトの量を増やし、コンディションを上げられるように意識してやっていました。筋肉量が下がると体重が落ちてしまうので、筋力アップというよりは、身体を維持することを意識していました。

シーズン開幕を2回迎えるような感覚に近いのかもしれませんね

そうですね。難しいシーズンなのは間違いないです。休みが長いとオフみたいな気持ちになってしまいそうなので、〝まだ終わっていない〞と言い聞かせてやってきました。

個人として今シーズンのベストゲームを挙げるとしたら?

何だろうなぁ。パッと思いつくのは2021年11月10日の島根スサノオマジック戦ですね。勝てていないので微妙ですけど、個人としてはあの試合が現時点でのベストゲームだと思います。

その理由はなんでしょうか?

島根のPG安藤誓哉選手(日本代表)とマッチアップして、太刀打ちできたとは思っていないですけど、相手のエースガードに対してファイトすることはできたのかなと。また、オフェンスでも気持ちを前面に出して得点に絡むことができ、自分の中ではその試合が印象に残っています。

安藤選手を抑えていたように見えましたが、野本選手の感覚としてはどうだったのでしょうか?

ある程度は対応できた感覚はありました。でも、一番大事な場面で仕事をされてしまったので、抑えられたとは全く思っていないです。どちらかと言えば、やられた感があります。

個人の課題も、大事な時間帯に仕事をさせてしまう部分になりますか?

そうですね。やっぱり、いい選手は大事な時間をわかっていて、そこに120%の力を持っていくことができる。僕も常に100%でやっているつもりですが、4Qの大事な場面で120%を出せるようになったら、もっと違う選手というか、ステップアップできるのかなと思っています。

ターニングポイントは10月のホーム川崎戦

レイクスには野本選手を含めてガードが4人います。ほか3選手に絶対に負けたくない部分はどこですか?

全部の動きで100%を出して、コーチの求める動きをしっかりできること。オフェンスにかたよったり、ディフェンスにかたよったりするのではなく、まんべんなく仕事ができることが自分の強みだと思います。そこに対してフォーカスしてやってきましたし、今後もやっていきたいです。

では、先ほどの安藤選手も含め、マッチアップした選手の中で印象に残っ
ている選手はいますか?

マッチアップした時間は短かったですが、川崎ブレイブサンダースの藤井祐眞選手ですね。もともと好きな選手でもあって、改めてすごいなって思いましたし、安藤選手もそうですね。

理想のガード像を教えてください。

先ほども言いましたが、いろんなことを100%でできて、コーチの言ったことを遂行できる選手ですね。それがコーチにとって必要な選手ですし、コーチに必要だと思われる選手になりたいんです。

昨シーズン終盤にショーン・デニスHC(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)の信頼を失った経験がそう思わせているのでしょうか?

ん〜、それもあるかもしれないですけど、大学の時からプレーイングタイムが確保されていたわけではなかったので、昔からコーチに必要とされる選手になりたい気持ちが強いのかなと思います。

では、課題が残った試合は?

ホームの川崎戦(2021年10月27日)かな。前の試合もあまりよくなくて、それを引きずった試合かなと思います。試合後に良くないなと反省して、いろんな人に話を聞いてもらったりもしました。次の試合が天皇杯で気持ちの切り替えがうまくできましたが、個人的には前の試合を引きずったあの川崎戦がよくなかったと思います。

今思うと、その川崎戦がターニングポイントになっていますか?

そうかもしれません。選手には波があると思うんですけど、波の下の部分があの川崎戦で、そこから波が上がっていったように思います。

特別指定の昨シーズンとルーキーイヤーの今シーズン、気持ちの違いはありますか。

かなり違うと思います。昨シーズンは何もわからずに入って、何もわからなかったからこそ思い切りプレーできたところもありました。戦術理解がまだまだでよくなかった部分もあるんですけど、逆に思い切りプレーできたのかなと。そして、戦術を理解してきて、考え過ぎて、よくなくなって、そのよくない自分を悪い方に考えたのが昨シーズンの終盤でした。

でも、今シーズンは川崎戦のようによくなくても切り替えて上に上がっていって、自分の成長を感じられる部分が何度もありました。よくない試合は今シーズンも何度かあるけれど、気持ちを切り替えてまた上がっていける。そこに成長を感じます。

ルイスHCがフィジカルという単語をよく使われますが、その部分ではB1リーグで充分に戦える手応えは得られましたか?

充分という自信はまだないですけど、ある程度はできているんじゃないかと思います。でも、ルイスの求めているレベルではないと思いますし、僕がマッチアップする選手が今後も相手チームのエースになるなら、もっとフィジカルを強化しないと太刀打ちできない。安藤選手や藤井選手らと同じレベルでフィジカルを出せるようにならないといけない。そう考えたら〝まだまだ〞だと思います。

シーズンの前にイメージしていた自分と今の自分を比べ、理想にどこまで近づけていますか?パーセンテージで教えてください。

パーセンテージかぁ。ん〜、まだ半分くらいなので50%ですね。プレースタイルとかそういうのは想像していた通りにできていると思います。でも、スタッツが低い。スターターで出場し、プレーイングタイムがある程度ある中で、今のスタッツだったら良くない。だから、マイナス50%ですね。

名古屋Dには負けたくない結果と成長を両立させたい

残りの4月・5月でスタッツを高めていきたいと考えていますか。

そうですね。でも、スタッツを追い求めるとあまり良くないので、やることは今までと一緒だと思います。その中で、決めるべきショットを決めるとか、その結果としてスタッツが上がってくればいいかなと思います。

4月以降はアウェーの琉球ゴールデンキングス戦に始まり、広島ドラゴンフライズや島根など強豪との対戦を控えています。その中で、絶対に負けたくないチームはありますか?

どこにも負けたくないです。でも、強いて一つ挙げるなら名古屋ダイヤモンドドルフィンズですね。元レイクスのオヴィ(・ソコ)も今シーズン途中に移籍しましたし、ショーンさん(ショーン・デニスHC)もいます。知った選手、コーチが多いから、名古屋Dに対する思いは強いですね。

名古屋Dだと元レイクスの齋藤拓実選手とのマッチアップになりますね。止めてくれますか?

がんばります!

最後に、今シーズンをどんな形で締めくくりたいですか?

再開後は結果がついてこなくて、チームは苦しい状況が続いています。コロナ禍の難しいシーズンとはいえ、まだ10勝しかしていない。僕もプレーできていなくて申し訳ない気持ちもありますし、ブースターさんもモヤモヤしていると思うので、1勝でも多く挙げて、個人としても残りのシーズンでもっと成長したい。そして、最後には応援していてよかったなと思ってもらえるチームになれるように、結果にこだわっていきたいです。

野本大智

滋賀レイクスターズ

1998年6月25日生まれ、群馬県出身。高崎高校から筑波大学を経て2020-21SEASONから滋賀レイクスターズ(特別指定選手)へ。

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