2022.04.30

熱中すれば自ら育つ!! 滋賀レイクスターズ[ 体育遊びスクール]

滋賀レイクスターズの習い事
みんなで一緒に遊ぶから楽しく、そして学べる!

レイクスとエールが強力タッグ

〝体育遊び〞は、滋賀レイクスターズ(レイクス)とエール株式会社(エール)の共催によるスクールである。実はこの両者、2022年2月に発表された第3回「関西スポーツ応援企業表彰」で、レイクスは「スポーツ振興賞」、エールは「特別賞」を受賞している。滋賀関連の企業や団体の中で今回の受賞はレイクスとエールだけ。やや強引な言い方をすれば、〝体育遊び〞は湖国の強力タッグが運営しているスクールということができる。

開校は2021年4月。大津市神領にあるエール株式会社「がんばりまめの杜」という施設で週1回行われている。対象は「年中・年長」と「小学1・2年」の2クラス。エールが研究開発したうんていや鉄棒、ジャングルジム、滑り台などの多彩な遊具を活用し、効率のいい〝安田式サーキット〞というメニューを軸に、その時々でメインの遊びを変えていくのが特徴となる。だから、子どもたちは毎回ワクワク、ドキドキ。取材に訪れた日は、タグラグビーのタグを使った〝しっぽ取り〞を遊びの中に取り入れていた。

「安田式メソッド」で段階育成

スクールでは「安田式メソッド」に基づく独自プログラムが活用されている。教育者・安田祐治氏による0歳からの大脳神経の発達と運動遊びの理論「安田式体育遊び指導法」を体系化したもの。ざっくり言うと、集団での遊びを通して、子どもたちの脳や身体の発達を促すプログラムである。

ポイントは大きく3つある。1つは6つの動作をバランスよく遊びに取り入れること。6つの動作とは「走る・転がる・とび跳ねる」原野遊びと、「ぶら下がる・渡る・登る」樹上遊び。これらの動きを効率よく行うためのメニューが先述した「安田式サーキット」である。子どもたちは6つの動作を通して体の使い方を覚え、同時にケガや事故から身を守る「安全能力」を高めていくことになるそうだ。

2つ目はホップ・ステップ・ジャンプで育むこと。簡単な遊びから、少し複雑な要素を加え、最後は子どもたち自らが工夫して遊ぶといった感じで段階を踏んでいく。取材時の〝しっぽ取り〞ゲームでは、最初は相手のしっぽを取るというシンプルな遊びからはじめ、次は赤・青の2チームに分けた対抗戦、そしてチーム戦略を子どもたちが考えて再び対抗戦に挑むなど徐々に複雑な要素を加えていった。

布施幸也コーチは「まず個々でやってみる。そしてうまくいかない部分を見つけ、どうすればうまくいくかを考える。次にみんなと一緒に遊ぶ中で生じる問題を、みんなで考えて解決していく。しっぽ取りで言うと作戦を立てる部分です。何気なく遊んでいる中に、そういう教育的な要素が入っています」と説明してくれた。

集団で遊ぶことが大切

3つ目のポイントは集団。宮原椋靖コーチはみんなと一緒に遊ぶことで、共感力、模倣力、観察力、発見力、判断力、対応力を育みたいと話す。

「昨年4月にスタートした頃は僕たちコーチから動き方を教えてもらい、言われた通りに動く子が多かったです。でも、回を重ねていくと、周りの仲間を観察し、マネるようになってきました。それで自分もできるようになると、どんどん積極的にみんなの輪に入っていく。社会性とか、コミュニケーション力とか、集団で遊ぶとことで身についていくことは多いです」

まとめると、6つの動作・段階的なアプローチ・集団での遊びを通して、子どもの体・脳・心を総合的に育むのがこのスクールの狙い。もっと詳しく知りたい方は、エールのホームページを参照ください。

夢中になれば日常も変わる。

取材時、何人かの保護者に話をうかがった。質問は、スクールに通ってから子どもたちに変化はありますか?

答えは身体的な変化と、精神的な変化に大きく分かれた。身体的な回答としては「腕の力がついた」「逆上がりができるようになった」「普段から体を動かすようになった」といったもの。精神的なものは「徐々に協調性が出てきた」「自分からお友だちに話しかけるようになった」「チャレンジ精神みたいなものが芽生えてきた」など。体・脳・心の育成が目的の〝体育遊び〞としては、うれしい反響と言える。

スクールをプロデュースするエール代表取締役の居関和江さんは「最初は一人で遊ぶ子もいましたし、うまく行かなくて泣いたり、他人のせいにする子もいました」と開校当初を懐かしむ。

「でも、半年を過ぎたあたりから集団を意識し、その中で自己を理解しはじめたように思います。もちろん、週1回のスクールだけで成長したとは思いません。どの習い事にも言えますがスクールがない残りの週6日をどう過ごすかが成長のポイントになってきます。私たちができることは、子どもたちが夢中になれるきっかけを作ること。夢中になれば自ら遊びますし、日常が変われば成長の〝伸びしろ〞も変わると思います。これからも、子どもたちを〝夢中〞にさせたいです」

開校からまだ1年足らずだが、着実に成果が見られる。「将来、このスクールからオリンピック選手が出たら最高ですよね」と居関さんは笑った。

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