2022.01.13

女子は瀬田がうれしい初優勝、男子は甲南が接戦を制し連覇 【中学駅伝】瀬田中学校 甲南中学校

【中学駅伝(女子)】瀬田中学校

瀬田の駅伝メンバー。写真左(1区)から小松真優(2年)、小松愛優(2年)、青山流音(1年)、

理想のレース展開で初の栄冠

2021年11月19日に開催された「第72回 滋賀県中学校駅伝競走大会(希望が丘文化公園)」は、女子が瀬田中学校、男子が甲南中学校の優勝で幕を閉じた。

11時開始の女子は気温15℃、ほぼ無風という条件下。最初の1区は水口東の山﨑叶(2年)が力強い走りで先頭に立った。瀬田は小松真優が5位で2区の小松愛優(ともに2年)へタスキリレーし、愛優が区間賞の走りで2位へとジャンプアップ。3区の青山流音(1年)が2位をキープして4区の堀内莉咲(3年)へつないだ。そして堀内が1位でアンカーの肥後彩羽(3年)へ。最後は2位と10秒差をつけて栄光のテープを切った。

No.1ポーズでゴールしたキャプテンの肥後は「全国出場!の強い気持ちをみんなでつないだ。素直にうれしい」と笑顔を見せた。

自主練で大幅にベスト更新

初優勝の要因はメンバー全員の成長だった。肥後は3年間で1500mの自己ベストが40秒ほど速くなったと言う。区間賞の小松愛優も、この1年で1500mが50秒ほど速くなったそうだ。

「特別な練習はないですけど、今年から自主練を始めた。距離を踏んできたことでスタミナがついたのかなと思う」(小松愛優)

興味深いのは、学校の部活と自主練習で目的を明確に分けた点。普段の部活ではジャンプや筋トレなどで体を作り、自主練習ではランに集中した。有効に時間を使うことで個人の急成長につなげた。

目標の舞台は2年ぶりに開催される全国大会( 12月19日・希望が丘)。湖国の新女王がどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。

【中学駅伝(男子)】甲南中学校

2位との差、わずか1秒

12時15分スタートの男子は気温21℃。11月中旬とは思えない陽気の中で行われた。

1区は湖西の海老原光(3年)が区間賞で先頭、城山のアロイオ ヒロシ(3年)が2位という展開。昨年は1位フィニッシュも失格で優勝を逃した彦根南が4位と好位置につけた。甲南は16位、水口は27位と出遅れた。

その中で甲南は2区の大原宇人(2年)が14人抜きの快走で一気に2位へ浮上。「普段はクラブチームでサッカーをしていて、駅伝練習は大会の2週間前から。3㎞走をやり込んできたけど、まさか自己ベストを約20秒も更新できるとは…。( 14人抜きについて)ドリブルで相手DFを抜くよりも気持ちよかった(笑)」と振り返った。

甲南は3〜5区も上位をキープし、アンカーの藤澤慶祐(3年)が2位でタスキを受けた。一方の水口は3区の石田崇人(3年)が区間2位の好走で、24位から一気に8位へ。5区の松山遼祐(2年)が区間賞の走りを見せ、アンカー西原陸(2年)へ4位でタスキをつないだ。そしてレース終盤は甲南の藤澤と水口の西原の一騎打ちに。最後は藤澤が西原を抜き、大会2連覇を達成した。甲南と水口との差はわずか1秒だった。

自分たちの力で勝ち取った

ゴール手前30m付近で首位に立った甲南の藤澤は「(2位でタスキを受け)一時は3位まで落ちたけど最後まで粘って着いていった。そして最後に1位に。チームの役に立ててうれしい」と喜んだ。

安定したレースを見せた甲南だが、実は他競技との掛け持ち選手が多いという。14人抜きの大原は先述の通りサッカーがメイン。アンカーの藤澤も8月までクラブチームで野球に専念していたという。今回のメンバー6人の中で純粋な陸上競技部員は3人だった。

平出亘監督は「他競技との兼ね合いで準備期間は短かった。できることが限られている中で、彼らは自分たちの力で優勝をつかんだ。そのことに自信をもってほしいと思います」と生徒たちを称賛した。

全国大会まで約1ヶ月間。次のミラクルを起こす準備期間はある。

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