2021.07.22

小学生大会で県勢初の全国制覇。 次は“中学生No. 1”がターゲット。[ソフトテニス] 野間結菜・越野みずき

伝統の雁行陣で頂点

3月下旬に千葉県で開催された「全国小学生ソフトテニス大会」女子ダブルスで、野間結菜・越野みずきペア(野洲ジュニアソフトテニスクラブ)が滋賀県勢として初の全国制覇を達成した。クラブの代表である田中靖雄監督は「団体での全国優勝は過去に何度かありますが、個人では初。負けることを怖がらずに、うちらしく攻め続けた結果だと思います」と2人の勝利を手放しで讃えた。

1999年の設立以来、野洲ジュニアソフトテニスクラブがこだわってきたのが「雁行陣」である。ペアが横に並ぶ平行陣がジュニアの主流だが、このクラブでは前衛と後衛が縦に並ぶ雁行陣を守り続けている。理由は「攻めて勝つため」(田中監督)。特に後衛が前に飛び出して2人でネットプレーを繰り広げる超攻撃的なスタイルが野間・越野ペアの特徴だという。

後衛の野間は「(ラリーの)球筋などを見て、タイミングよく後ろから上がり、ボレーを狙う。この〝ダブル前衛〞が私たちの強みです」と説明する。

だが、ダブル前衛を貫くには、2人の意思疎通が不可欠だと前衛の越野は話す。「どのタイミングでダブル前衛にするかは、お互いのイメージを揃えないと難しい。抜かれたら点数を決められるので。ペアを組み始めの頃は全然うまくいかず、負けてばかりでした」。

意思疎通を図るために、2人は「一緒の時間を増やすこと」を意識したという。小学5年生の夏休みには、常にどちらかの家にお泊まりして長い時間を2人で過ごした。するとお互いの考え方が分かりはじめ、信頼関係が生まれた。自然とソフトテニスでも息のあったプレーが増えたという。その最終結果が全国制覇だった。

2人はこの春から大阪の強豪・昇陽中学に進学し、部活でもペアを組んでいる。目標を聞くと「全中の団体で優勝すること」と見事に声を揃えた。このペアなら中学でも日本一になれるかも…。そう思えた瞬間だった。

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