2021.06.09
自分と対話したこの1年。その成果を初夏に披露する 西村顕志
自分と対話したこの1年。その成果を初夏に披露する。
西村顕志 [陸上競技 100m・200m]
社会人アスリートの壁
昨年4月に滋賀レイクスターズの所属選手になった西村顕志(短距離走)は、本誌WEB版で社会人アスリートの難しさに言及している。(記事 → https://lakesmagazine.jp/tag/nishimuratakayuki/)その中で興味深かったのはデスクワークに関して。「気がついたら6時間もパソコンに向かっていたこともある。着座姿勢は血の巡りが悪いですし、同じ姿勢を続けると筋肉が固まってしまう。これって実業団アスリートあるあるですよ」と屈託のない笑顔をこぼした。
改善策として取り入れたのがストレッチだった。「股関節や背中周りなどを20〜30分くらいかけてほぐすようになりました」。最初は筋肉の硬化を防ぐことが目的だったが、うれしい誤算として股関節の可動域が広がった。そして走りにもいい影響が出始めている。「100mを 歩で走っていたけど、ストレッチ効果で自然とストライドが大きくなって歩数も少なくなった...んじゃないかなぁと(笑)」 デスクワークでいい副産物を得た1年だった...のかもしれない。
まずは日本選手権へ
デスクワークの件は半分くらい笑い話だが、西村が意図的に取り組んできた中に「姿勢と体幹の向上」がある。同期入社の瀬古優人(走高跳)にもアドバイスを受けながら取り組んできたという。「単純に姿勢がよくなれば速く走れるわけではない。でも、姿勢を正すことで100mを楽に走れるようになった。また、体幹を鍛えることでレース後半でもいい姿勢を保つことができるようになったと思います。
瀬古選手にスクワットのやり方を教えてもらって、この1年でMAX重量を60kg(MAX280kg)も増やすことができました」 仕事との両立も含め、とことん自分と対話してきた社会人1年目。その成果を出す時が近づいている。自分と対話したこの1年。 その成果を初夏に披露する。
「5月の関西実業団選手権と6月の布施スプリントに出る予定です。そこで6月の日本選手権参加標準記録(10秒40)を出したい」その目標の裏には、今も持ち続けているある思いが隠れている。「同学年の桐生くん(桐生祥秀・日本 生命)に勝ちたいという思いは今も変わっていません。そのためにもまずは日本選手権に出ること。この1年の 成果を出したいと思います」