2023.05.01

〝アーロン超え〞で脚光。 次の目標は日本高校新。落合 晃

高1歴代最高記録を更新

昨夏の近畿大会男子800m。
滋賀学園高校の落合晃(2年)は高校1年歴代最高記録(1分50秒19)を叩き出して優勝した。
記録更新は2017年以来。
日本を代表するクレイ・アーロン竜波(テキサスA&M大学)が相洋高校1年時に出した1分50秒23を塗り替えた。そのインパクトは強く、一気に脚光を浴びることになった。

「(近畿大会の)レース後しばらく、高1歴代最高記録だとは知らなくて…。先生からアーロン抜いたみたいやぞって言われて、え? って思いました(笑)」

 だが、インパクトが強かった分、必然的に周囲のマークも厳しくなった。初めてのインターハイでは執拗に体をぶつけられ、思うように走れずに予選で敗退した。「これがインターハイか」と思ったという。
 この〝天と地〞で学んだことは「自分からレースをコントロールしつつ、ラストで勝ち切れる力をつけることの大切さ」だと話す。

10月の国体では予選から「悔いのない走り」を心がけ、8位入賞を勝ち取った。
「タイム的にもセカンドベストを出せました。何かをつかめた大会になったと思います」

駅伝の名将が惚れ込む

滋賀学園といえば、駅伝の強豪校である。
卒業生には今年の箱根駅伝で優勝した駒澤大学の安原太陽(4年)がいる。その弟・安原海晴(駒澤大学1年)もU 20男子代表として世界クロスカントリー選手権を経験している逸材だ。
 
そんな彼らを指導してきた滋賀学園の大河亨監督は「落合は別格。今までウチにいなかったタイプです」と評す。
「安原兄弟はもともとスタミナがあって長い距離を走れる選手でした。なのでスピードを磨くような練習を積んできました。でも、落合は逆。スピードはすでにある。駅伝ではそのスピードをいかに持続させられるかがポイントで、アプローチの仕方が違います」

 名将が惚れ込んだ有望株は高校2年生の目標について「800mでインターハイ優勝と日本高校記録(1分46秒59)の更新です」と即答する。そして「1500mでは長年破られていない滋賀県高校記録(3分45秒67/ 90年11月に記録)を塗り替えたい」と笑顔で話した。

活気ある湖国の陸上競技界に、また一つ、楽しみが増えた。

落合 晃

滋賀学園高校

2006年8月17日生まれ、高島市出身。今津北小学校、今津中学校を経て滋賀学園高校へ。現在2年。兄の影響で中学1年から陸上競技を始め、中学3年時にはJOCジュニアオリンピックカップ男子1000mで4位入賞(2分32秒)を果たした。高校1年の昨年は近畿大会男子800mで優勝し、インターハイに出場。国体800mで8位入賞。165㎝、55㎏。

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