2020.10.02

4季目の指揮 若いチーム導く ショーン・デニスHCインタビュー

ショーン・デニス ヘッドコーチインタビュー

4シーズン目の指揮となる今季は、ショーン・デニスにとって滋賀レイクスターズでの仕事の集大成となるはずだったに違いない。昨季は才能と実績がある選手たちが「ケミストリー(化学反応)」を起こし、リーグ戦の勝率が5割超、天皇杯3位の成績を残した。特に年明け以降はリーグ内で傑出した勢いを誇ったが、悲願のチャンピオンシップ進出を視界に捉えたところで新型コロナウイルス感染症の猛威が直撃した。

リーグが中止となり、大半のメンバーが入れ替わった。迎えた今季、ファンはどうしても昨季終盤に見た幻影を追い、複雑な思いを抱えているだろう。しかし、デニスは野心を胸に集まった今季のチームを見て言う。

「私が滋賀に来た1年目から、特にやり方は変えていない。あえて新しいことはせず、同じスタイルをさらにいい形にし、見ている人がワクワクするバスケットボールを磨き上げたい」

コロナ禍の長いオフ期間、デニスは帰国せずに日本に止まった。感染予防には注意しつつ選手ともコミュニケーションをとり続け、新規選手獲得についてクラブとも打ち合わせを重ねた。残留した伊藤大司と狩俣昌也、期限付き移籍で加入した晴山ケビンという実績ある選手も名を連ねるが、ロスターの多くはB1での実績に乏しい若手。それでも、集まった面々に指揮官は自信を見せる。

「勝利だけでなく、個人としての成長意欲をどれだけ持っているのかを見抜いてリクルートをした。新チームがスタートしてから日々成長していくプロセスが大事だが、一人ひとりがそこをしっかり持って、毎回の練習で表現してくれている。彼らがここからどういう成長をしてくれるのか、そこからどのようなチームを作っていけるかは楽しみだ」

現実的に見て、リーグ内でレイクスの下馬評は低いはずだ。しかし、どう変貌を遂げるのか、計算できない魅力がこのチームにはある。

「若いチームだからこそ、自分たちのやりたいバスケットボールを理解したときに一気に開花する可能性がある。そこの成長も楽しみながら、ファンの皆様にも一緒に戦ってほしい。」

未知数の素材をどう仕上げているか、名将の手腕に期待が膨らむ。

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