2020.06.14

「リオパラリンピック5位」ブラインドマラソン 近藤寛子 vol.1【Lakes Athlete Voice】

見えなくなって感じた幸せ

ブラインドマラソンの近藤寛子です。
年齢はおそらく最年長の53歳です。
年齢はしっかり向き合いながらも、言い訳にせずまだまだ自己記録更新中です!!

私は、網膜色素編性症という病気で視力を失いました。
健常者として過ごしてきた私、徐々に視野が狭くなる治療法のない、やがては失明するかもしれないと言われたときのショック。
小学生の長男と次男、そして生まれたばかりの娘の3人のこどもたちを、目が見えなくなった母親が育てていけるのか?家事はこなせるのか?不安でいっぱいでした。

やがては失明の宣告を受けた2000年。
生まれたばかりのむすめを抱きしめて、こんなお母さんの子に生まれてごめんねと毎日泣いていた日々を思い出します。
あれから20年。
外に出られなくなっていたときに、マラソンとの出会いが私の人生を大きく変えることになったのです。
見えない私たちに寄り添い伴に走る伴走者との出会い。
腕の振りを合わせ、脚を合わせまるでひとりで風を切って走っているような感覚!
走りたい!
あの感動が、今の私の原点です!
この20年の間にも私のリオパラ出場を楽しみにしていた主人が亡くなり、そしてそのパラリンピックへの出場を果たしました。が、昨年には乳がんがみつかり、走ることを大優先で右を全摘、その後に2ヶ月まともに歩けないほどのケガ、ことしは左右の卵巣摘出手術と次々にいろんなことが起こります。
でも、すべてが私の人生というキャンパスを色付ける出来事、辛いと感じることをバネにしてさらなる高みに飛んでいきたい。

目が見えなくなったからこそ出会えた方々とのかけがえのない経験は、私の宝物。
ご支援いただいている皆様、サポートくださる滋賀レイクスターズ様、所属の滋賀銀行はじめ、私を支えてくださるすべての方々に囲まれて競技できる幸せ。
失ったものを数えて生きるより、今あるものを最大限に活かして生きていきたいと思います。
まだまだ目指します!
スポーツを通じて、行う・見る・支えることによって、皆が幸せを感じることができますように!
これからもよろしくお願いいたします!!

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