2019.03.01
[スキー]立命館大学体育会スキー部 弥永奈々
158㎝。 アルペンスキー競技者としては小柄で、愛らしいルックスの弥永奈々(立命館大学1年)だが、性格は男前ならぬ”女前”。 その一端は競技の魅力についてのコメントからも垣間見られる。
「アルペンは0・01秒を競い、少しのミスも許されない。 0・01秒でも速く滑るために、たくさんの努力をしなければいけない。 特にアルペンの中で私が中心に行っている大回転は、スピードとテクニックの両方が求められてとても難しい。 でも、そこが楽しいんですよね」
ジャイアントスラロームと英語表記される大回転は、小刻みなターン技術が必要な回転(スラローム)と、スピード感あふれるスーパー大回転との中間的な種目。 弥永が言うように、技術と速さの両方が求められ、それが噛み合わないと結果がついてこない。
弥永には、その2つががっちりと噛み合った忘れられないレースがあるという。 立命館守山高校3年生時に迎えた最後のインターハイ、大回転の1本目だ。
「最後のインターハイなので、とりあえず攻めようと。 努力の全てぶつけるつもりで…。 なんとか最後まで粘って1本目を5位(2本計で最終8位)で滑れた。その時、今までの練習のやり方が間違っていなかったと感じることができた。 あの経験が現在のモチベーションにつながっていると思います」
3月は、5日・6日の 「甲信越ブロックアルペン選手権大会」 をはじめ、7日〜10日の 「全関西学生スキー選手権大会」、19日の 「全日本ジュニアスキー選手権大会 回転」、20日の「ゴールドウィンカップ」、そして23日の 「全日本ジュニアスキー選手権大会大回転」 と連戦が続く。 目標にかかげる全日本選手権入賞を果たすまでは、寸暇を惜しんで努力するのが弥永流。 そこには滋賀スキーヤーとしてのプライドもあるようだ。
「北海道や長野などに比べれば滋賀は雪国とは言えません。 だから、練習環境を優先して雪のある地域へ行ってしまう選手も多い。 でも私は”滋賀県代表”にこだわります。 生まれ育った滋賀が大好きだからです。 雪国じゃなくても工夫と努力があれば、全国の舞台で戦える。 雪無し県代表として日本のトップを目指します」
やはり”よっ女前!”と声をかけたくなるアルペンスキーヤーである。
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弥永奈々
立命館大学体育会スキー部
Profile/やなが・なな。1999年11月12日生まれ、草津市出身。老上小学校、立命館守山中学、立命館守山高校を経て、立命館大学へ。現在1年生。5歳からスキーを始め、11歳から本格的にアルペンスキー競技を開始。高校3年のインターハイ大回転で8位入賞。