2018.10.06

[野球]多賀少年野球クラブ

世界一楽しく、そして強く。初優勝の裏にイタリアでの経験あり。

創設30年。 東北楽天ゴールデンイーグルス則本昂大がかつて所属した名門・多賀少年野球クラブが、ついに少年野球の甲子園と呼ばれる高円宮杯全日本学童軟式野球大会で初優勝した。 キャプテン市井柚希(彦根市立若葉小6年)は、約1万2千チームの頂点に立てた理由を 「今年のチームはとにかく明るい。 笑顔でつかんだ優勝です」 と、満面の笑みをこぼした。

チームスローガンは 「世界一楽しく、世界一強く」。 まさに有言実行でつかんだ初優勝だったが、実はこの方針が生まれたのは7年前と歴史は浅い。 きっかけは優勝した国際ユース野球イタリア大会だったと辻正人監督は振り返る。
「海外のチームはとびっきり明るくて、敵とか味方とかいう境界線がなく、ただただ大好きな野球を楽しむ雰囲気があった。 いいプレーをしたら相手チームでも拍手をする。すごくいいなぁと思って…」

それまでの多賀は、1日3、4試合は当たり前の超実践主義だった。だが、この世界大会で方向転換。「全体練習も試合数も大幅に減らし、子供たちだけの残り練習の時間を増やしました。 僕らが子供の頃にやっていた”遊び”の野球の時間を増やしたわけです。 そうしたらイタリアで出会った子供たちのように、楽しそうに野球をするようになった」 と辻監督は話す。

チームのムードメーカー田中駿希弥(彦根市立城南小6年)は 「全国大会では、ピンチの時も、チャンスの時も、とにかく声を出してチームを盛り上げた。 ”ナイスボール!!”とかね。 それが優勝につながったかどうかはわからないけれど、どこのチームよりも楽しく野球できたと思います」 と、白い歯をのぞかせた。

多賀の優勝は、単に好成績を残したという以上に、大きなものを滋賀に示したのではないだろうか。

多賀少年野球クラブ


Team Profile/創部1988年。部員29人(6年8人、5年8人、4年以下13人)。高円宮杯全日本学童軟式野球大会優勝1回、準優勝2回。2011年国際ユース野球イタリア大会優勝など。OBには東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大投手がいる。部員も募集中。

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