2017.09.02
[アメリカンフットボール]関西学院大学 アメリカンフットボール部 光藤航哉
光藤&小田の”滋賀ホットライン”で日本一へ。
期待のサウスポーQB
8月25日に開幕した 「2017関西学生アメリカンフットボールリーグ(Div.1)」。 連覇を狙う名門・関西学院大学アメリカンフットボール部(ファイターズ)に、171㎝と小柄ながらエースの座を射止めたクォーターバック(QB)がいる。 大津市出身の光藤航哉だ。
名門でレギュラーQBの座を勝ち取るだけでも栄誉だが、光藤は1999年シーズンに 「チャック・ミルズ杯(大学年間最優秀選手)」を手にするなど黄金期を支えたQB有馬隼人以来となる”サウスポー”としても注目されている。ファイターズとしては21世紀初となる左利きのエースQBでもある。
昨年の秋シーズンはケガで棒に振った光藤だが、大学3年生になった今年は春シーズンの慶應義塾大学、日本大学、明治大学、パナソニックとの試合に全て出場。 「春の最初は緊張もあったけれど、パナソニック戦以外は予定通り全勝できて自信になった。 もちろん、目標は日本一なのでパナソニックにも勝ちたかったけれど、こちらが準備していた以上に相手のスピードが速かった。 でも、春シーズンに社会人のトップレベルを肌で感じられたのはよかったと思っています」 と、笑顔をのぞかせた。
光藤の持ち味はランプレーだ。左利き独特の回転を持つパスはむしろサブ的な要素で、本人も「走ることが売り」と即答する。 走力があるからこそ、パスプレーを相手に読まれにくい。逆に左利きのパスがあるからランも生きる。光藤の魅力はラン&パスの両方を高いレベルで備えている点である。
”滋賀ホットライン”完成
昨年の本誌11月号で紹介した近江高校野球部出身の小田快人(3年)と光藤は同学年だ。 小田は、40ヤード(約37m)を4秒台で走るアジリティ(俊敏性)と野球で慣らしたレシーブ(捕球力)を武器に、2年からレギュラーを脅かす存在になったレシーバー(パスの受け手)。 光藤曰く 「快人はみんなと違う色を持ったレシーバーだと思います。 速いだけではなく、野球で培った独特の捕球力も持っていますし…。 説明が難しいですが、動きが他の選手とは違うというか、変というか…(笑)」 らしい。
だが、お互いを理解している2人は息もピッタリ。 今年の春シーズン初戦の慶應大学戦では、光藤から小田へのタッチダウンパスで先制点を挙げてもいる。「春の最初のタッチダウンパスが快人でした。秋もどんどん快人にパスを通していきたいですね」 と、光藤は話す。
大津市出身の光藤と近江高校出身の小田による”滋賀ホットライン”は、今年の関西学生リーグを盛り上げるに違いない。 湖国のフットボールファンにとっては、新たな楽しみになりそうだ。
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光藤 航哉
関西学院大学 アメリカンフットボール部
Profile/みつどう・こうや。1996年5月7日生まれ、大津市出身。元アメフト選手の父の影響で幼少の頃からアメフトボールで遊んでいた。その後、青山小学校4年生時に「草津リトルパンサーズ」に入り、フラッグフットボールをはじめた。中学はタッチフットボール部のある同志社国際中学へ進み、同志社国際高校1年の時には関西大会ベスト4に。高校3年の時にはU19世界選抜にも選ばれた。関西学院大学3年の今季、エースとして活躍が期待されている。171㎝、75㎏。