2022.02.07
第74回全日本バレー ボール高等学校選手権”春高”開幕 [女子代表] 近江兄弟社 2年ぶり13回目
女子は近江兄弟社がつなぐバレーで奪還ラリー戦で我慢強く得点
女子は近江兄弟社が念願の頂点に立った。決勝の相手は、準決勝で第1シードの近江を破って波に乗る水口。平均身長160㎝台半ば(リベロを除く)で突出した高さのアタッカーがいない近江兄弟社は、セッターのキャプテン山本麻菜(3年)の巧みなトスワークからサイドアタッカーの五十嵐樹(3年)、三反畑奈々星(3年)を中心とした波状攻撃を展開。ラリーに持ち込んで我慢強く得点を積み上げ、最終的に全4試合で1セットも落とさない安定した戦いぶりだった。昨年右ひざの手術で欠場していたエースの五十嵐は「全員の力で優勝することができてうれしい」と喜び、伊藤将史監督は「大会を通じて、のびのび楽しんで力を発揮してくれた」と選手をねぎらった。
悔しさバネに成長、全国で1勝を
とはいえ、ここまでの道のりは平たんではなかった。新人戦(県民体育大会)、インターハイ予選(春季県総体)は2位止まり。決勝で勝ち急ぎ、ミスで自滅する悔しい敗戦から見出した戦い方が「うまくいかなかったプレーも、次に補えればミスでなくなる。だからカバーに徹するバレーをしよう」だったと伊藤監督は言う。二段トスからの攻撃や、スパイクがブロックされると想定したフォローの練習などを徹底。「1回で決め切ろうとせず、ラリーで得点していく。そのスタイルが定着してからは、ラリーが楽しくなっていった」と副キャプテンの三反畑が言うように、秋には大学生や他府県の長身チームとの練習試合で善戦を重ね手ごたえをつかんでいった。チームスローガンは「ひたむきに前進する」という意味の「勇往邁進」。敗戦をバネに新たなチームの形を模索した近江兄弟社が、スローガン通り成長を遂げて東京へ乗り込む。山本主将は「全国の舞台でも、自分たちらしい『つなぎのバレー』をしたい。まずは春高初の1勝を果たすのが目標」と意気込んでいる。