2017.08.05
[カヌー]立命館大学体育会カヌー部
3年ぶりのインカレ総合優勝へ。超・実戦練習で挑む。
合言葉は 「再び、頂点へ」
昨年の全日本選手権を制した新岡浩陽(滋賀レイクスターズ)をはじめ、数々のトップアスリートを輩出してきた立命館大学体育会カヌー部。50年以上の歴史をもつ名門が掲げる目標は、今も昔も 「全日本インカレ総合優勝」 だ。 主将の加藤大揮(4回生)は言う。
「昨年も新岡先輩をはじめ、個人個人では優勝している。 でも、総合優勝は自分が1回生の頃に3連覇を果たしてから遠ざかっている。総合優勝を知る選手が今年で引退するので、その前に何が何でももう一度、頂点に立って伝統を引き継ぎたいと思っています」
主将の加藤と昨年からペアを組む吉川瑛太郎(3回生)は、先輩たちの”再び、頂点へ”という情熱を間近で感じている。
「先輩たちの気合いもあって、昨年よりも部内の競争力は高いと感じます。 全員が大きく成長していますし、自分もポイントを稼いで総合優勝に貢献したい」
練習を行う瀬田川水域は彼らの熱気で沸いている。
常に競争の中で強さが磨かれる
立命館大学カヌー部は、昔から長距離(1000m)選手の育成に定評がある。だが、実は短距離(200m)も同様に鍛え、長短のどちらも強い選手が多い。 これを陸上競技に例えると、5000mや10000mの長距離ランナーが、100mや200mといった短距離選手も兼ねることになる。 持久力と瞬発力の両方を鍛えるのは使う筋肉が違うため、やや矛盾が生じる。 中学からカヌー(カナディアン)を始めた綿幹弘(2回生)は、その矛盾に苦しんだ一人。 愛知・杜若高校3年時にインターハイで1人乗り(C1)200m、2人乗り(C2)200m・500m、4人乗り(C4)500mの計4 冠(6種目中)を達成した短距離のスペシャリストは、長距離を練習することについて疑問を感じていた。
「短距離選手としてやってきて、大学では1000mをメインに練習。 当然、最初は馴染めなかった。でも、長距離の練習で持久力がつきましたし、溜まった乳酸の処理に何が必要かなど学ぶことも多かった。 この経験を今年は生かしていきたいと思います」
もう一つ、立命館大学の強さを支えているのが、”常に競争”させる練習方法だ。 そんな日々のガチレースで成長したのが、カヤックの棚田大志(2回生)である。
「多い時で1日30㎞くらい漕ぎます。しかもただ漕ぐのではなく、500mとか距離を決めてガチの競争。 長距離が得意ですが、常に競争する環境の中で短距離も速くなりました。 昨年のインカレはケガで出られなかったので、その悔しさを今年の夏にぶつけたい」
「第53回全日本学生カヌー選手権大会(全日本インカレ)」は8月25日〜29日に石川県で開催される。果たして、3年ぶりの総合優勝なるか。 夏の大舞台が始まる。
立命館大学体育会カヌー部
Team Profile/1964年の東京オリンピック前後に創部。部員26名(マネージャー2名含む)。過去には全日本インカレ総合優勝(3連覇)などの偉業も達成。OBには新岡浩陽(滋賀レイクスターズ)や元滋賀レイクスターズ所属の鈴木康大(久野製作所)、滋賀県出身の小梶孝行(たねや)ら日本代表がいる。