2018.09.01

【SKETCH of 高校スポーツ】[特集Ⅱ]グローバルに生きる④

約40年続くドイツとの交流。音楽に対する考えが変わる。

親子二代でドイツ遠征

花園高校吹奏楽部の初代顧問だった故・仁井田邦夫が1976年ドイツのサンクトフィトス楽団と懇意になったことをきっかけに、花園高校はドイツ遠征をスタートする。以後、3〜6年の間隔で訪独を重ね、昨夏には11回目を迎えた。 遠征中はずっと楽団員宅にホームステイ。 トランペット奏者の安田瑞穂さん(2年)は、そんな貴重な遠征を親子二代で経験した。

「父から、自分が当時ホームステイした家族を訪ねてほしいと言われ、実際に訪れることができた。 すごくいい経験でした。 また滞在2週間の中には向こうの方々との合同演奏もありました。 参加者は小学生から60歳くらいまで。 言葉は通じなかったけれど、音が響き合うことで何か伝わるものを感じた。 改めて音楽のチカラを知りましたし、いい刺激になりました」。

海外への興味が湧く

大津市出身の安田さんが花園高校への進学を選んだのは、ドイツ遠征の話を父親から聞かされていたからというのも大きいようだ。
「ホームステイ先で親切にしてもらった話や、その時にできた友人のことなどを聞いて、私もドイツに行きたいと思った。 ドイツ遠征は花園高校を選んだ理由の一つです」

だが、京都の学校に通うのも初めてなら、強化指定である部活のレベルも高く…。 コンクールに向けた練習をこなす毎日が続き、気がつけばドイツ遠征の日を迎えていた。
「何もドイツへ行く準備ができていないまま遠征に行きました。 それでも、本場で感じるポルカのリズムは新鮮でしたし、日本ではなかなか伝わってこないものでした。 やっぱり本場でしか感じられないものがあるのだと気付かされました」

帰国後、安田さんは部活に取り組む姿勢だけではなく、日頃の生活にも少し変化があったと話す。
「行く前は外国の方との接し方がわからなかったけれど、帰国後は京都の街で観光客に話しかけられても物怖じしなくなった。 これもドイツ遠征の効果の一つだと思います」

周りから見れば、小さな変化かもしれないが、彼女にとっては大きな変化と言える。 「もっといろんな国へ行きたいと思うようになった」のだから。ドイツ遠征でグローバルな視点が芽生えたのかもしれない。

花園高校

学びのポイント 1

『禅のこころ』で豊かな人間形成を

日本で唯一、設立母体を臨済宗妙心寺派の大本山である妙心寺とする高校です。 建学の精神である 『禅のこころ』 を通して、何ものにもまどわされない本当の自分を発見するとともに、将来社会で役立つ力を養います。

学びのポイント 2

一人ひとりが『主人公』 花園独自の3つのコース

オーダーメイド教育で難関国公立大合格を目指す「 特進Aコース」、論理的思考力を養い難関私立大合格を目指す「 特進Bコース」、花園型リテラシー教育で4年制私立大合格を目ざす「 進学カルティベートコース」。 一人ひとりの個性が輝く環境を用意しています。

学びのポイント 3

充実の学校行事

行事の多さは京都随一!全校生徒対象のものから学年・コース別行事や希望者対象の研修までさまざまです。高1生対象の宗教行事『 錬成会』 では禅の作法を学びます。 全校を挙げて取り組む最大規模のイベント『 花園祭』 は、毎年1,000名以上の来校者を迎えて盛大に行われます。

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