2025.08.21
まれに見る大混戦の今季。“前J3”との大一番を追う。
7月21日のJFL第17節。レイラック滋賀FCは首位チームとして大一番に挑んだ。相手は前J3いわてグルージャ盛岡。小林祐希や西大伍ら元日本代表を擁す強豪で、前回対戦(第2節)では1-2でレイラックが敗れている。滋賀初のJクラブ誕生をめざす上で、越えなければいけない1つの壁だった。
だが、開始早々の4分に先制点を奪われて出鼻をくじかれる。角田誠監督は「何気ないロングボールからの失点。4試合前の沖縄SV戦と同じような取られ方だった。映像を見せたりして準備はしたけれど、(相手の狙いに対して)徹底できなかった」と、この失点を悔やんだ。
その後、レイラックは前半の飲水タイムを利用して「2ボランチの1枚をやや前に置く」(角田監督)などシステムを修正。それが功を奏して高い位置でボールを奪える場面が増え、攻撃のチャンスを広げていく。しかし、ゴールを奪えずに前半は1点ビハインドのまま終えることになった。
逆転勝利のシナリオを描くレイラックは59分という早い時間に攻撃力の高いロメロフランクと菊島卓をピッチに送り込む。次第に前線からの圧力が機能し、ボール奪取からショートカウンターで決定機を演出していく。だが、相手GKの好セーブなどもあってなかなかゴールが奪えない。リスクを背負って前がかりでゴールを奪いに行くと、逆に83分・87分に立て続けに失点してしまい、勝点3が遠のいてしまった。
とはいえ、3点ビハインドの状況でも隣負を諦めず、90+7分にロメロフランクが意地のゴールを挙げた。この1点は次につながる好材料だ。試合後、ロメロフランクはこう話している。
「(首位で迎えたが)気持ちはいつもと変わらなかった。目の前のチームに勝つことだけを考えていた。でも、選手たちの中にはどこかで意識していた部分もあるかもしれない。まだ戦いは続きます。この1点を次は勝利につなげたい」
この敗戦でレイラックは首位から陥落となったが、次節のY.S.C.C.横浜を2-0で制して再び首位へ返り咲いた。残り12試合。滋賀初のJクラブ誕生をめざす。