2025.08.20

この秋、SUPワールドチャンピオンを狙う。

副将として総合Vに貢献を

 岩井壯太(同志社大学)は大学ラストイヤーのテーマを「魅」と決めている。「最高のパフォーマンスを魅せる、人々を魅了する、魅力的な自分になる」。その瞬間がこの秋に訪れようとしている。

 岩井はカヌースプリントとSUP(スタンドアップパドル)の〝二刀流〞を貫いてきた。同志社大学カヌー部の副将としては、8月の全日本学生カヌースプリント選手権(インカレ)で5種目に出場し、男子の総合優勝に貢献するのが最大の目標となる。

「今年は自分が先頭に立ってみんなを引っぱる気持ちで行動してきた。個人としてはK-1 200mで優勝し、フォアやペア、リレーでも頂点に立てるように準備をしている。最後のインカレは大学生活の集大成として挑むつもりです」

 その後にはU23日本代表として「カヌーマラソン 世界選手権大会」(9月4日〜7日・ハンガリー)に出場する。初出場だった昨年は不慣れな長距離レースに「レベルの差を感じた」そうだが、今年は「とことん喰らいついていく。その先にメダルがあると思います」と発言できるほど自信もつけてきた。カヌー選手としては8月と9月が「魅」を達成する大舞台となる。

虎視眈々とSUP世界一を狙う

〝二刀流〞の岩井にとって、カヌーシーズンの終わりはSUPシーズンの始まりを意味している。

「八幡商業高校カヌー部に入ってから、ずっとそのサイクルを続けてきた。自分にとってはそれがもう当たり前です。カヌーマラソン世界選手権の後、SUP世界選手権大会までは2ヵ月弱あるので、切り替えはできると思っています」

 小学5年生からSUPをはじめた岩井は、今や世界トップクラスだ。2023年のSUP世界選手権大会(ICF S UPWORLD CHAMPIONSHIPS)では日本代表として男子団体2種目で世界一に輝いている。

 当然、世界の頂点を知る男は今年のSUP世界選手権大会(10月29日〜11月2日・アラブ首長国連邦)でも表彰台の真ん中を狙っている。

「世界選手権に出るのは決まっていますが、日本代表として出るかどうかは9月の選考レース次第です。日の丸を背負う、背負わないでは意味合いが変わってくるので、しっかり代表の座を射止めたい。その上で世界一になるのが理想です。そして僕が世界で勝つことでSUPをもっとメジャーにしたい。そういう使命感をもって今までも競技をやってきましたし、これからもそのつもりです」

 SUPの楽しさや激しさを多くの方に伝えたいという思いは、レース以外の活動にも現れている。7月21日に野洲市・マイアミ浜で行われた『2025「海の日」マリンスポーツフェスティバル』では〝本気〞のデモンストレーションでギャラリーを沸かせてみせた。

 今年のテーマである「魅」は、こういう底辺拡大の活動にも宿っている。

岩井壯太

同志社大学

2004年3月26日生まれ、野洲市出身。八幡商業高校を経て同志社大学へ。現在4年生。2023年第59回全日本学生カヌースプリント選手権大会 K-2 200m優勝。ICF SUP WORLD CHAMPIONSHIPSに日本代表として出場し、国別表彰男女総合2位、男子団体2種目2冠(世界1位)に輝く。

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