2026.08.28
守山市で花開いた弓道文化。 〝正射必中〟で全国へ羽ばたく。

人としての成長がカギ
「ルシオール守山弓道クラブ」が今、注目を集めている。全国的に中学生の部活動地域展開が進む中で、その先駆けとなる動きを続けているからだ。
創部は令和5年7月。守山市内の中学生6人でスタートし、4年目の今年度( 26年度)は20名が在籍している。主催団体の小寺英行さん(公益財団法人守山市文化体育振興事業団)は「部活動地域展開も見据えてスタートした。弓道場を生かすためにも弓道に焦点を当て単に弓道教室ではなく、部活動と同じ形で指導していき、学生が主体的に活動する形をめざす」と話す。
人気の理由は弓道を通して人間力を磨ける点だ。クラブの講師代表を務める中西八重子さん(滋賀県弓道連盟副会長・守山市弓道連盟副会長)は「正射必中(せいしゃひっちゅう)」の弓道理念に魅力があると分析する。
「正しい射法で射られた矢は、必ず的に中(あ)たる。正射必中は技術だけではなく、平常心や集中力が求められます。日頃から挨拶や礼儀を重んじ、常に自分と向き合わないと正射はできません。弓道は人を成長させる。そこに魅力を感じていただいているのだと思います」
創部2年目の令和6年にクラブから3名の全国大会出場者を輩出した。翌7年も3名が出場し、今年度は過去最多の4名が全国へ羽ばたく。8名の講師が根気よく「正射」を教えてきた一つの成果だろう。
高校でも弓道を続けたい
当クラブに通う中学生の多くは、水泳や陸上競技などと兼部しているケースが多い。2年連続で全国切符を手にした皆川花穂(市立守山中3年)は、バレーボールで負った怪我を抱えながら県大会(予選会)に。「松葉杖を使わないと歩けない状況」だったが、1位(優勝)で滋賀県代表の団体戦メンバーに選ばれた。
「怪我もあって予選会は不安でした。その中で勝てたことは自信につながります。昨年の全国大会では1本も的に当てることができなかったので、今年はまず1本に集中したい」
皆川と共に団体戦メンバーに選ばれた伊藤 杏(守山北中2年)と村上なぎ(守山南中2年)はともに水泳と並行して弓道を続けてきた。全国大会は今回が初出場となる。
予選会3位の伊藤は、水泳でも全国大会に出場する実力者だ。「弓道で身についてきた集中力は水泳にも活かされていると感じます」と相乗効果を口にする。兼部の好例だろう。
予選会2位の村上は、兼部の効果ではなく、弓道自体に魅せられた。「一本一本を丁寧に積み重ねていくのが面白い。高校では弓道部に入りたい」。弓道との出会いが大きな転機となった。
輝ける舞台を発見する
男子では県立守山中学に通う栗田悠煌(2年)が、初の全国出場を決めた。陸上競技と並行して弓道の腕を磨き、予選会を通過。団体戦メンバーの1人として全国に挑む。
「陸上競技では全国切符を逃したけれど、弓道では全国大会に出場できる。まだ悪いクセがあるので、大会までに少しでも修正して本番では正射したい」
いち早く中学生の部活動地域展開に取り組んだ「ルシオール守山弓道クラブ」。その活動は、守山市の中学生たちに新たな輝きの場をもたらしているようだ。








