2019.09.20

【湖国のラグビー】湖国ラグビー今昔。

ラグビ滋賀県ラグビーフットボール協会に登録している選手は、現在約810人。登録チームは32。
関西ラグビーフッボール協会加盟の22府県の中で中間的の規模である。
1990年代前半の最盛期は1400人以上、41チームが登録していたという。
今回のワールドカップ日本大会は、人気回復の起爆剤となるか。

6万人が熱狂した年代

他競技にも言えるが、湖国ラグビーにおいて新時代を開くようなエポックメイキングは1981(昭和56)年の「びわこ国体」だった。滋賀県ラグビーフットボール協会の尾形文仁理事長(瀬田工業高校ラグビー部顧問)も国体を機に滋賀へやってきた一人だ。「当時、滋賀は国体に向けて強化していた。日本体育大学で同期だった岩出雅之氏(帝京大学ラグビーフットボール部監督)も一緒だった」 という。

尾形理事長が大学生の頃はラグビー人気が高かった。母校・日本体育大学と新日鉄釜石との日本選手権(大学王者vs.社会人王者)を観るために、6万人以上がスタジアムを訪れた時代だった。「今思うと、我ながらすごい環境でラグビーをしていたなと思う」と尾形理事長は目を細める。その熱狂は「びわこ国体」を媒介に、尾形理事長や岩出氏を通して滋賀にやってきた。

ワールドカップで人気再燃を

強化策が実り、地元びわこ国体で見事に総合優勝を果たした滋賀。1987年の沖縄国体では、高校生(少年の部)が厚い近畿の壁を破って本大会出場を勝ち取り、さらに1993年の東四国国体では近畿予選少年の部で大阪、兵庫、奈良という強豪を破って再び本大会出場を決めた。この頃、滋賀県内の競技人口は1400人以上。現在約810人という現状を考えると、90年代前半が湖国ラグビーの最盛期だったと言える。少し目線を変えると、県内でラグビーがもっと身近にあった時代ということができるだろう。

9月20日に「ワールドカップ日本大会」が開幕する。キャンプ地の大津市には、世界ランク1位のウェールズ代表と同10位のフィジーがやってくる。湖国ラグビー界にとって、今度は世界のラグビーを身近に感じられる絶好の機会となる。「世界のラグビーに触れ、多くの方に興味を持っていただきたい」とは尾形理事長。果たして第2のエポックメイキングになるか。

2019年度 滋賀県ラグビーフットボール協会

登録チーム数32・競技人口約810人

ミニタグ6    中学・ジュニア7   高校9    大学3    クラブ6    女子1

 

有識者 尾形文仁

[滋賀県ラグビーフットボール協会理事長]
       

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