2大会ぶりのパラリンピック出場をめざしてきたブラインドマラソン（視覚障がい）の近藤寛子（滋賀銀行）。参加標準記録をすでに突破している彼女は国内ランキング3位以内（推薦枠）をめざして調整してきた。そして昨年12月の防府読売マラソンで優勝（3時間16分56秒）し順調な仕上がりを見せていた。

　だが、年明け早々にコロナに感染。2月の別府大分毎日マラソン大会で国内ランキングを上げる予定だったが、残念ながらタイムは伸びなかった。

「脚は全く問題なかった、でも、コロナの影響で息苦しさを感じながら走っていた。年末の防府で良い手応えがあり、自己ベスト（3時間10分32秒）更新とまではいかなくても、10分台の自己ベストに近づけられると思っていた。残念です」

　パリ大会の日本代表は7月上旬に発表される。原稿作成時点では日本の出場枠数が決まっておらず、国内3位でも出場できるかどうかはわからない。国内ランキング5位の近藤がパリ大会に出場するには「限りなくゼロに近い奇跡を待つしかない」（近藤）が、その先を見据えて前を向いた。