2024.01.01

後ろも、前も、大収穫の1年。中岡誠琉・神田仁胡・三苫詩葉・清水怜

中岡誠琉 北大津高校・オーパルオプテックスカヌーチーム

オリンピックホープスで快挙連続

 今夏のインターハイ・カヌースプリントで200mと500mの2冠を達成した北大津高校2年の中岡誠琉(オーパルオプテックスカヌーチーム)。世界から将来のオリンピック選手たちが集うオリンピックホープス(9月)では、200m・500m・1000mの3種目でファイナリストになる快挙を達成した。「今年は冬にスキーエルゴというマシンで新たに全身を鍛えた。身体がひと回り大きくなり、結果的に世界の舞台で戦えるようになったと思います」。200mは昨年に続いて2度目の決勝進出、500mと1000mは日本人男子初のファイナリストという大躍進だった。

神田仁胡 大津高校

競技環境を変え、自己ベスト更新

中学までオーパルオプテックスカヌーチームで競技をしていた神田仁湖は、大津高校への進学を機に籍を高校に移した。「中学2年の全国大会で出した自己ベストを更新できない日々が続きました。心が折れそうで…。思い切って、環境を変えてみようと思いました」
 高校では周りにメンタルを支えてもらい、徐々に本来の姿を取り戻した。初めてのインハイでは500mで優勝も飾った。9月のオリンピックホープスでは1000mで日本人女性初のファイナリストに。そして自己ベストも更新(2分01秒)した。「01秒ですけど、更新できてうれしかったです」

清水怜 大津高校

大津高男子初のインターハイ王者

8月のインターハイ(北海道)ボート男子シングルスカルで、大津高校の清水怜(3年)が先行逃げ切りで頂点に立った。
「準決勝が競ったレースで体力を消耗してしまった。でも、ここまで来たら全力を出し切るしかないと思って決勝に挑みました」
 1000mの後半にあたる600m地点で2位とは半艇ほどの差があった。「よし行けると思ってスパートをかけた」という。「会心のレースだったと思います。春の選抜7位の悔しさを晴らせました」 大津高校の男子としては初のインハイ王者。高校ラストイヤーを最高の形で締めくくり、次はインカレ日本一をめざす。

三苫詩葉 膳所高校

インターハイは惜しくも2位。でもベストの漕ぎ

インターハイ女子シングルスカルでは膳所高校の三苫詩葉(3年)が2位に入った。昨年は4人乗りで3位。
「自分の力を試したい」と1人乗りに転向し、昨年12月にはU-18日本代表合宿に呼ばれるなどすでに実力は全国区だった。だが、合宿では「緊張する性格で雰囲気に飲まれてダメダメでした」という。今年3月の代表選考会にも残れず。緊張しないためのルーティンを考え、それが完成へと近づくにつれて成績も良くなった。
 今年5月の朝日レガッタでは膳所高初の女王に。満を持してのインハイだったが惜しくも優勝は逃した。
「でも、今まででベストのレースでした」。攻めのレースに悔いはない。

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