2022.04.14

194㎝、98㎏ 最速152キロ 重量級の右腕がプロの扉を叩く 水口創太 京都大学[硬式野球]

4月から最終学年となる湖国ゆかりの大学アスリートたちに、この1年にかける想いを聞いた。また4月から大学生になる注目の滋賀出身選手も紹介。2022年を熱くさせるのは果たして誰だ。

昨年の秋季リーグで活躍。プロ注目の〝大型投手〞に。

2021年10月3日に開催された関西学生野球連盟の同志社大学戦。7回からリリーフ登板した194㎝の右腕・水口創太は、京都大学硬式野球部の歴代最速となる152キロの剛球を投げた。120年以上もある硬式野球部の歴史に、自分の名を刻んだ瞬間だった。

「(152キロを出せたのは)大学でウエイトトレーニングに力を入れて体重も増えたことが大きいです。ウエイトトレーニングでただ身体を大きくするだけではなく瞬発力を高めるトレーニングや可動域を広げるストレッチも同時に行いました」

歴史的な瞬間の約1ヶ月前には、近畿大学との秋季リーグ開幕戦に7回から登板し、2回を投げて無失点に抑えた。水口の好投もあって、京都大学は7年ぶりに開幕戦で白星を飾る。

「自分のできることだけをやろうと割り切ってマウンドに立った。意識したのは、腕を振ること、ストライク先行で投げること。大学に入り、自分が出た試合で初めて勝利を経験でき、全員で喜び合ったことを鮮明に覚えています」

これらの活躍で、水口はプロ野球チームのスカウト陣から熱視線を浴びることになる。恵まれた体格に加え、名実ともに〝大型投手〞となった。

夢はずっとプロ野球選手。叶えるための大事な1年。

小学2年の時に晴嵐スポーツ少年団で野球をはじめた水口は、その頃から「野球をやるからにはプロ野球選手になりたいという夢がありました」と言う。北大路中学時代には県大会に出場し、膳所高校では2年秋からエースに。高校3年の夏の大会では16強入りを果たすなど順調に成長を続けた。そして「高校、大学と力をつけていく過程で、(夢から)目標としてプロ野球選手になることを見据えることができるようになりました」と話す。

ちなみに、野球を始めた晴嵐スポ少の1学年上には、横浜DeNAベイスターズの京山将弥投手がいる。「(スポ少では)学年毎にチームが組まれたので試合や練習は別だったのですが、(京山投手の)肩の強さがすごく印象的でした。高校やプロで活躍されているので目標にしています」と、水口は当時を懐かしむ。身近な先輩からいい影響を受けていたのかもしれない。そんな環境で育った水口が「プロ野球選手になる」という目標へ、手を伸ばせば届くところまで来ている。

子どもの頃からの夢を果たす上で大切な1年となる2022年。目標を聞くと「リーグ優勝です」という短い答えが返ってきた。そして近い将来の目標は「プロ野球の世界に入り活躍することです」と答えた。〝プロ野球選手になること〞を夢見た少年は今、〝プロで活躍する〞ことを見据えて白球を投げ下ろしている。

水口創太

京都大学硬式野球部

みなくち・そうた。1999年8月9日生まれ、大津市出身。晴嵐小学校、北大路中学校、膳所高校を経て、京都大学医学部人間健康科学科へ。小学生の頃は大津市大会で優勝し、県大会に出場。中学でも県大会へ。高校では2年秋からエースとしてマウンドに立ち、夏の全国高校野球滋賀県大会で16強入りに貢献した。球速はMAX:152キロ。194㎝、98㎏。

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