1958年創部と歴史のある比叡山高校軟式野球部が、今年8月に9年ぶりの全国大会出場を果たした。過去11回出場のうち、渡邉雅信監督が全国へ導いたのは今年で6回目。監督としてラストシーズンにおきた、一つの奇跡だった。

「平成3年秋から監督に就任し、成績に関係なくどの年も思い出深いです。でも、今年は私が監督最後ということもあって、チーム一丸で戦ってくれたと思います。本当に感謝しています」

チームをまとめた前キャプテン近藤颯（3年）は「監督が最後の年。そしてコロナ禍で悔しい思いをした先輩たちの分も頑張ろうとみんなで話し合った」と言う。

近畿大会決勝では奈良・天理高校に3-2で競り勝ち全国切符を手にした。近藤は「1点を取る練習を重ねてきた成果が出た」と胸を張った。そして全国大会ではベスト8入り。初心者が複数いたチームが、まさにドラマを起こした。