2021.12.12

全国制覇を目指して比叡山へ そして今夏、ついに悲願達成 【柔道】 杉村美寿希 比叡山高等学校

悲願のインターハイ優勝

2年ぶりに開催された今年のインターハイ。比叡山高等学校柔道部の杉村美寿希さん(3年)は「昨年はコロナ禍で大会中止。先輩方の悔しい思いも背負って」挑んだ。

一回戦を得意の大内刈りで一本勝ちした杉村さんは、続く二回戦も大内刈りで勝利。三、四回戦も一本勝ちで制すなど〝優勝候補筆頭〞と言われた実力を存分に発揮。そして準決勝では延長戦の末に勝利し、約15分のインターバル後に初めての決勝の舞台に立った。

「決勝はこの日6試合目。準決勝が長引いた影響で休憩時間が少なく、体力的には厳しかった。最後は気持ちの勝負でした」
結果は大内刈りでの一本勝ち。「やっと自分の柔道を出すことができたと思いました。いい内容でインターハイ優勝を果たせて、本当にうれしかった」と振り返った。

日本一の朝練が原動力に

奈良県出身の杉村さんは中学生の時に比叡山の練習に参加。「周りは強い選手ばかり。ここで頑張れば日本一になれる」と確信して越境の道を選んだ。だから、厳しい練習はウェルカムだった。ただし、〝日本一厳しい〞とも称される朝練はさすがに「想像以上にキツかった」と杉村さんは語る。

朝6時40分から西教寺までの約3㎞を約13分で走り、その後は日吉大社の石段100段をおんぶと手押し車で登り、石段ダッシュも10本。そして道場に戻ってロープ登りや腕立て伏せなどを行う。
「1年生の頃はついていけなかった。でも、毎朝1時間の朝練を繰り返すことで自分でも成長を実感できました。休憩時間が少なかったインターハイ決勝では、朝練の効果が出たのかなと思います」

今夏に強烈なインパクトを残して全国の頂点に立った杉村さん。将来の目標であるオリンピック優勝に向け「ようやくスタートラインに立てた」と笑顔をのぞかせた。

杉村美寿希

比叡山高等学校

すぎむら・みずき。2003年11月20日生まれ、奈良県出身。兄の影響で5歳から柔道を始めた。奈良・広陵中学時代は全国中学生大会(全中)団体戦優勝や全中女子70㎏超級3位などの成績を残す。比叡山高校では1年生のインターハイ女子78㎏級で3位、2年生は大会中止、3年生は同階級で優勝。

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