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2021.12.11

二艇身差をひっくり返した春 追われた夏 【ボート(ダブルスカル)】 宮口優希 鷲田速人 瀬田工業高校

あれ、浜松西が見当たらない

今年3月の全国高校選抜大会ダブルスカル決勝。瀬田工業高校ボート部の宮口優希(2年)・鷲田速人(3年)は「あれ」と思った。総距離1000mの半分にあたる500m地点で、宮口は「(後ろ向きに進むボート競技では)先頭にいるなら他校のボートが全て視界の中にあるはず。でも、数えたら1艇足りない。あれ、と。隣の浜松西が前にいるとその時に気づいた」と言う。

オールを漕いだ跡の波形で、浜松西とは二艇身差ほど離れていると予想できたという。時間にすれば4秒差。
鷲田は「やばいと思いました。でも、あせることはなく、スピードを上げることに集中しました」とこの時の心情を打ち明けた。

2人はラスト250mでトップスピードに入った。瀬田工業のめざす理想のローイング。
そしてゴール直前に浜松西を抜き去り、春の頂点に立った。なんともドラマチックで、ド派手なレース展開だった。

勝てるレースを逃した夏

王者となった宮口・鷲田ペアは、インターハイで春・夏連覇に挑んだ。だが、結果は3位。優勝候補と言われながら敗れた原因は、ド派手な〝春〞にあった。宮口はインターハイ決勝をこう振り返る。
「選抜で二艇身差をひっくり返して優勝したことで、他校にすごく研究された気がします。前半でどれくらい差をつければ追いつかれないか。戦略にやられました」

インターハイでは春3位の関西(岡山)が優勝し、浜松西が2位に入った。鷲田は「勝てるレースを逃した。残念で仕方がない」と肩を落とした。

鷲田にとってはもう一つ残念なことがあった。インターハイの後にU 19日本代表として10月のアジア大会に挑む予定だったが12月に延期。最終的には大会派遣の中止が決まった。
「U 19日本代表になれたことは誇りに思います。でも、やっぱりアジアで勝負がしたかった。インターハイも含めて、このうっぷんは大学で晴らします」

アジア大会の中止によって、鷲田は国際レース経験で遅れを取ったのかもしれない。だが、瀬田工業の理想はラストの巻き返し。鷲田が成長を加速させるのも、ここからが〝本番〞である。

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